西海市立S中図書館

2010年11月23日火曜日

NDCの世界観

そんなものありませんよ、とおっしゃるかもしれません。たぶん、最初の考案者もそう思っていたでしょうね。これは単なる分類で、思想の表明ではないと。

しかし、分類が世界を切り分ける思考の枠組みである以上、それが、ある思想的立場を無意識のうちであるにせよ表現してしまうことを妨げるわけにはいきません。

何をもってまわったことを言っているのだ、と思われる方は読み飛ばしてください。


下は、NDC第9版の2次区分から、宗教のところです。


16 宗教
17 神道
18 仏教
19 キリスト教


これをどうご覧になりますか。「神道」という日本に固有の宗教と、「仏教」「キリスト教」という世界宗教とが肩を並べています。そして、世界三大宗教の一つである「イスラム」は、「宗教」の下の3次区分に追いやられています。


ヒドゥン・カリキュラムという言葉をご存じでしょうか。カリキュラムの裏に隠れたカリキュラム。子どもたちが、明示された表のカリキュラムから暗黙の内に受け取るもう一つの教育内容のことです。


たとえそれが日本にとってどのように重要なものであるにしろ、ローカルなものとグローバルなものを対等に並べて平然としている精神を、私は子どもたちに伝えたくありません。ここには神道の代わりにイスラムを置くべきでした。図書館の目指すところを考えると、作られた時代の限界と片付けたくないです。


これが、NDCを学校教育の中で取り上げたくないもう一つの理由です(NDCで配架するな、という意見ではありません。教育課程の中では、あまり深入りしたくないということ)。


もっとも、年末年始にかけて、クリスマスケーキを食べ、神社に初詣をして、お寺に墓参りにいくという典型的日本人の意識を上手に反映しているとは言えるかもしれません。かく言う私も仏教徒ですが、クリスマスには、娘たちのために特別のお菓子を焼き、プレゼントを用意します。

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