西海市立S中図書館

2024年4月17日水曜日

花と俳句 ツツジ

近道へ出てうれし野の躑躅(つつじ)かな 与謝蕪村


桃の花同様、暖かくなって山に咲く花には、つい誘われて知らない道に踏み込ませる何とも言えない力があるのでしょう。そうして脇道を歩いていったら、それがたまたま近道になっていて嬉しかったという素朴な感慨を詠んだ作品です。

ツツジが漢字ではこうなるのだというところも面白味の一つでしょう。

2024年4月9日火曜日

台車

古いカウンターを裏返して壁際に置き、下のスペースを物入れとして使っています。そこに、ブックコートフィルムを入れたコンテナを置いているのですが、重くて出し入れが不自由でした。そこで、合板にキャスターを付けた台車を作ることにしました。


構造は単純で、四角く切り出した板に、あり合わせのキャスターをネジ止めしただけのものです。


キャスターのサイズは20mm。もう少し大きい方が動きがスムーズだと思います。技術室のジャンク箱にあったものを利用したので、サイズに選択の余地はありませんでした。板は前に作ったベンチの余りを使ったので、費用はかかっていません。

2024年4月8日月曜日

花と俳句 桃の花

桃咲いて地図なき道に出でにけり 中野京子

桃の花の俳句はとてもたくさんありますが、華やかで優しいイメージで描かれているものが多かったです。そのようなイメージは、すでに万葉集の時代から存在していて、大伴家持の歌に、次のような作品があります。

春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ

この俳句は、桃源郷の故事を彷彿とさせますが、現実の体験とも読めます。桃の花に誘われて思わず知らない山中に迷い込むというのは、いかにもありそうな経験ではあります。

2024年4月3日水曜日

閲覧机の修理

2月28日に、机の天板の補強金具のトラブルについて書きました。春休みになって、やっとその修理に取りかかりました。下の写真は再掲です。補強金具が浮いてしまっていました。原因は、単板側に埋められたナットが外れかけていたことです。

そこで、新たに穴をあけて、新しいナットを取り付けることにしました。


金属に穴をあけるには、技術室にあるようなボール盤があると、正確な作業ができます。
机の天板の方にも電動ドリルで穴をあけ、下の写真の鬼目ナットを打ち込みます。




古い穴には、おが屑(丸ノコなどで木を切削したときに出る木くず)に木工用ボンドを混ぜて詰め込み、鬼目ナットを打ち込みます。これで修理するという手もありますが、強度に不安が残るので、新しい穴をあけ、予備的に古い穴も使いました。
 

書架の修理のときにも感じましたが、元の設計が強度不足です。鬼目ナットは、穴を貫通させなくても使えるので便利ですが、あまり強い力はかけられません。コストダウンのために天板の厚さを抑え、その分の強度を補うために、金属のバーを取り付けているのだと思いますが、こんな取り付け方では補強の用を果たせません。

家庭用ならまだしも、学校のような場所で使うものは、少々荒っぽい扱いをしても壊れない強度が求められます。

2024年4月2日火曜日

小さなブックスタンド

楕円展示台の展示用ブックスタンドが足りなかったので、小さなブックスタンドを四つ作りました。


文庫本サイズで、1×4のSPF材1本分で作れます。スライド丸ノコと電動ドリルドライバーのおかげで、部品加工と組立はあっという間にできました。

2024年3月28日木曜日

書架の修理

遮光フィルムを貼った窓の下には、棚板が可動式の高書架が置いてありました。その書架について、以前から気になっていたことがありました。


棚板の両端に、上の写真のような木枠が入れてあったのです。棚板を支える金具が一つなくなっており、そこを支えるためと、下の写真のように、棚板の端に隙間ができており、支えが甘くなっているのを防ぐためでした。


有名な文具メーカーの書架なのですが、側板が微妙に膨らんでできた隙間のようです。横から手で強く押すと、隙間がなくなります。裏に厚い板をあてて補強するということも考えましたが、取りあえずの処置として、金具のなくなっているところも含めて、棚板を支える桟を入れました。


少なくとも、最初に入れてあった無骨な木枠よりだいぶスマートになりましたし、木枠で書架の容量も減っていたのが元に戻りました。

それにしても、上の写真で分かるように、この金具も大変ちゃちです。幅が1.8mの高書架のものとはとても思えません。可動にしたければ、この部分は特に強度を持たせる設計にするべきでしょう。そもそも、可動棚でなければこのような問題も生じませんが。

2024年3月27日水曜日

バーコードリーダのホルダー

貸出用のバーコードリーダが、カウンターの上で何となく落ち着かないので、ホルダーを作ってみました。材料はその辺にころがっている端材です。これはファルタカ集成材。桐に似た柔らかい素材で、加工はしやすいのですが、手で強く力を加えたら割れてしまいそうな印象を受けます。




塗装は、ハケの要らないワックスにしました。布ですり込むだけで、乾燥も早いです。机に傷がつかないよう、底にはフェルトを貼りました。写真には写っていませんが、これ自体が動かないように、滑り止めのシートを敷くことにしました。