なぜ、昨年度まではサンプル調査だったのに、全校調査が復活したのか。
あるニュースによれば、35人学級を実現するための予算を、財務省に、根拠がないと蹴られたため、教員の数を増やしてクラスの人数を減らせば学力が向上するという根拠を示すためだそうです。
こういう議論には、文部科学省は、毅然とした態度で、そんな統計をとることは、そもそも不可能だと言ってほしいものです。
学力を決める要素の変数は極めて多いので、成績の変化が、どの変数によって起こったのか、簡単にはわかりません。
成績をそろえて作ったクラス編成のはずなのに、結果として成績が大きく違ったという経験は、私たちには珍しくありません。
対照実験を行うための、条件をそろえた被験者(子ども)を複数グループ用意することができないのですから、教育の事象に、自然科学的な意味合いで客観的な実験は、不可能だということです。
では、何を根拠にしたらいいのか。
例えば、対GDP比で、教育費の占める割合が、OECD加盟国中最低レベルであること。1学級の人数についても同様。
PISA調査では、成績が上がったとか落ちたとか、上位の方で少し変化すれば大騒ぎですが、教育の諸条件については決して問われません。
教師の処遇にしても、勤務時間の問題点(恒常的な超過勤務)はほったらかしにしたまま、給与を引き下げることにはみなさん大賛成のようで。
最低レベルの予算で、最高レベルの結果を出せというのは無茶でしょう。費用対効果ということで言えば、すでに十分よくやっているということになります。
調査問題の中身については、また別に稿を起こします。
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