このブログのタイトルの下に掲げている写真の学校は、今はもうありません。他の学校と統合されて、廃校になりました。
私が学校図書館に特に力を入れ始めたのは、この学校に勤務してからでした。
その頃、私は、娘と理不尽に引き離されて、精神的にかなり参っていました。学校にいることがほとんど耐えられないような状態だったのです。
例えば、朝から、玄関の前で生徒たちが元気よくあいさつ運動をしていることが、この上なく苦痛でした。そんなときは、走って逃げるようにその前を通り過ぎたものでした。
私は、職員室の真上にあった図書館に、自分の居場所を見付けました。がらんとした殺風景な部屋でしたが、そこに逃げ込み、そこを、自分がほっと息をつけるような場所に仕立てあげたのです。
そうすることで、何とか仕事を続けることができたし、自分を保っていられたと思います。とにかく、自分自身をすくい上げるために必死でした。
さらに、司書のNさんやTさんは、私の、かなり強引な仕事ぶりも、暖かく見守ってくれていました。職場の中ではあまり評価もされない私の仕事を、この二人が、深いところで支えてくれました。
その結果が、上の写真です。
そうこうするうちに、子どもたちもたくさん図書館に入ってくるようになりました。
一番忘れられない光景は、片付けて広くなった司書室の床に、不登校気味の生徒がやってきては、寝そべって本を読んでいたことです。
その姿をみながら、あ、こんなに弱り果てて、まともに仕事ができないような自分だからこそ、できることもあるのだ、と気づかされたのでした。
「立派な」教師になってしまってはいけない、と思ったのでした。
私は、突き詰めると、今も、娘と自分のために書き続けていると思います。娘もこのブログの読者の一人であり、以前はコメントを書いてくれたこともありました。
少し近づきかけていた娘が、今また、遠くに離れていこうとしています。私たちは、自由に連絡を取り合うことすらできません。私のメッセージが、ひょっとしたら娘の目にとまらぬものでもないと思って、こんな私的なことを書いています。
娘も本が大好きですが、今は教室に入っていけない状態だそうです。そんな彼女に、私は何もしてあげることができませんが、本と、図書館が、きっと支えてくれるだろうと信じています。
暖かい雰囲気の図書館を作ることで、ひょっとしたら、あと一人か二人の生徒を、少し楽にしてあげることができるかもしれない、というのが、私のささやかなミッションです。
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