西海市立S中図書館

2015年8月6日木曜日

富岡製糸場

学図研の埼玉大会が始まる前に少し時間があったので、群馬県の富岡製糸場跡に行きました。長崎に先駆けて世界遺産に登録された場所です。


関連の施設が4か所あって、時間の都合でそのうち2か所だけ回りました。もう一か所は、高山社跡。高山長五郎という人が自分の屋敷を蚕室にして、養蚕飼育法を研究、指導した場所だったそうです。


富岡製糸場は、こんなに大規模な施設が、使われないまま残されていた、というのが驚きでした。ただ、高山社も、まだ展示などが洗練されておらず、やっとリーフレットが間に合った、という体。

先頃世界遺産に登録されることになった九州の産業遺産も、かなりの部分がこれに近いかもしれないと思いました。

世界遺産に登録されることで、こうした施設がきちんと保存されるとすれば、それは何よりですが、遺産の持つ意味合いについては、よく考える必要がありそうです。

長崎の軍艦島の世界遺産登録に韓国から反対の声が上がっていましたが、富岡製糸場にしたって、創業当時はともかく、その後、必ずしも美しい出来事ばかりが起こっていたわけではなかったはずです。

私たちの現在の生活が、こうした明治以降の近代化のおかげで成り立っていることは間違いありません。しかし、近代化=欧米化の歴史が行き詰まって、これから先、バラ色の未来はやってきそうにもないのに、ここまでの流れの肯定的な部分だけを強調していくことには疑問を感じます。

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