西海市立S中図書館

2016年3月2日水曜日

我田引水

県の教育だより『げんき広場』の最新号(NO62、2016年2月)に、「『長崎県の暮らしやすさ指標』は全国1位!」という記事が載っています。

また、「『学びやすさ』も全国1位!」なんだそうです。

100の個別指標を得点化した結果らしくて、データをねつ造したわけではないのでしょうが、こんなに実感とかけ離れた記事も珍しいです。

例えば、私は仕事上の転勤で、離島や、郡部に暮らしていたこともありますが、田舎の良さはあるものの、教育環境は信じられないくらい貧しいし、生活の上では、安心してかかれる病院が近くにないといった不便が多々ありました。

公営住宅の家賃は、全国で19番目に高く(2013年度、総務省)、一方で平均年収は37番目(2013年、厚生労働省)。これで暮らしやすい?

学びやすさについては、単なる数字上のトリックだということがすぐ分かります。

例えば、文部科学省の資料(2013年度会計)を基に、教育費の総額(社会教育なども含みます)を人口で割った数字で比較すると、長崎県は下から5番目です。金額にすると、トップの約1/20にすぎません。

都合のいい指標ばかり抜き出してまとめただけじゃないの、これ。

2 件のコメント:

  1. 読み落としがないように読ませていただいています。私は6年ほど前からですが
    最初は「図書館改造」にいちばん関心がありました。
    そのうち、ときどき、お示しいただく本音の部分に大きな共感を覚えていました。そのつどコメントしたいと思っていたのですが引っ込み思案なもので・・・。
    今日の本音もまったくそのとおりに思います。

    返信削除
  2. mitlebenさん、コメントありがとうございます。読んで下さっている皆さん、たぶん遠慮してあまりコメントされません。直接お会いして意見を聞くことはたまにありますが。それにしても、お役所の仕事とはいえ、こんな空虚な嘘を、よく堂々と記事にできるものだとあきれています。

    返信削除