「よその子供とよその大人のしかりかた」と副題がついています。
この著者の作品は、まっとうな社会学の方法論にのっとりながら、独自の視点で社会問題をおもしろおかしく分析するという点でいつも類書を寄せ付けません。
出たら必ず買って読みます。
これは、しかし、いつもとちょっと雰囲気が違ってました。他人に対して怒ることの意味や、行動の仕方を、かなり延々と論じてます。いつになく形而上的な議論です。後半になってやっと著者の本領発揮。
特に、最後の章は「犬と子どもと体罰と」と題されています。学校で体罰が横行する原因の一つを、著者は、文部科学省や、教育委員などのおエラいさんが責任を取ろうとせず、現場に全責任を押しつけるからだと喝破しています。
何度も繰り返される体罰事件の報道を聞いていると、それはよく分かってもらえるのではないでしょうか。
同業者としてこう書くのは筆が重いのですが、学校文化の中に、体罰は深く根付いています。それが問題の解決にならないこと、この本を読めば分かってもらえるかもしれません。
教師も親も必読、といいたい一冊です。
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