西海市立S中図書館

2017年8月21日月曜日

可動棚と固定棚

山の日の休日ができてから、8月11日から16日までの間、学校を完全に閉めようという動きが昨年度から始まりました。

文句なしに休めていいだろうと思っていたら、部活動の立場からこれに反対の意見もありました。直後に大会があって、休むわけにいかないので、学校を閉められると迷惑だというのです。

なるほどそういうこともあったのかと気づかされましたが、長い休みを設定するからには、その前後の行事もよく考えてもらわなければ、そんなことになってしまいます。

本当は、夏休みの期間はずっと学校を閉めるべきだと思うのですが、なかなかそうはいかないようです。

閑話休題。

私もお盆休みはしっかり休んでいました。ここからは、前回書いたことの続きです。

図書館の棚は、固定がいいのか、可動式がいいのか、という問題です。

可動でなければ図書館の棚としては使えないという声は昔も今も根強くありますが、学校図書館に限定して考えると、どこも、かなり限られたスペースの中でキャパシティを稼がなければなりません。

そのためには、棚に無駄な空間が生じない固定棚が有利ではないでしょうか。また、可動にしたところで、入りきれない本は必ず出てきます。いったん棚の高さを決めたら、その後は、よほどのことがなければ動かさないでしょう。

であるなら、最初から固定であってもよいはずです。ただし、高さは注意深く選ばなければなりません。あわせて、大型本用の書架を、十分な数揃えることです。

2017年8月10日木曜日

床置き書架の使い方

二つ前の学校(F中)に赴任したばかりの頃の写真です。



この学校には、平湯先生に直接来てもらいました。ここには、平湯モデルを模した床置き書架がいくつかありました。

せっかく高さを抑えた書架を使っているのに、最上段に大きな本を並べてしまうと、その良さを殺してしまうので、こういう使い方はしない方がよいとの指摘がありました。

そのときはなるほどと思って聞いて、すぐに配架をやり直したのですが、こうした使い方が見られるのは、実は、この学校だけではありませんでした。

後から考えると、こうなってしまいがちな理由もあったのだと思いあたりました。要するに、大きめの本を入れる場所がないので、入れやすい最上段に置いたということでしょう。

固定棚の床置き書架の横には、大型本を入れる書架が必要です。次の写真は、久米南町立図書館のものだと思いますが、平湯モデル本来の持ち味を生かすためには、こうした手当が必須だということです。

『図書館を生きかえらせる シリーズNo.2』
(平湯モデル図書館家具カタログ[新訂3版]埼玉福祉会2013)より

なるべく分類を崩さず並べたいという志向もあると思いますが、その原則を貫こうとすると、棚は、大きな本の高さに合わせることになって、空間に大幅な無駄が生じてしまいます。

結局どこかで妥協が必要ですが、後は、優先順位をどうするかという問題でしょう。そこには好みの問題もからんできて、平湯モデルへの評価が好悪両極端に分かれる理由になっているような気がします。

もっとも、公立の義務教育の学校の現状は、これまで述べてきたように、そもそものハードの整備がでたらめなので、議論にもなりませんが。

2017年8月9日水曜日

図書館家具の設計(掲示板)

一昨日訪ねたK小の掲示板です。


次は、私が始めて作った掲示板です。幅4m弱の大物。


最後は、オリジナルデザインの掲示板です。


撮った角度や、元の大きさが違っていますが、最初の二つとオリジナルの間には、決定的な差があります。

それは、一枚一枚の板の幅です。

最初の二つのように、板の幅が広いと、全体に重い印象になります。私の作品は、1×4のSPF材をそのまま使ったので、幅は89mm。オリジナルは55mm幅の板を使ってありますが、この違いは、全体の印象を大きく変えてしまいます。

また、正面から見ただけでは分からず、気づく人もほとんどいないと思いますが、横板を取り付けてある縦の桟は、上端・下端それぞれから少し引っ込めてあります。


写真ではやや分かりにくいかもしれませんが、オリジナルには、こうした所にも妥協しない設計の方針が貫かれています。

2017年8月8日火曜日

図書館家具の設計(ブックスタンド)

展示用のブックスタンドの設計についてですが、上の写真と、下の写真では、ちょっとした違いがあります。



上の写真は、市の木質化計画によって配当されたものです。下の方は、平湯先生のオリジナルの設計によるもの。


このブックスタンドは、横の桟の取り付け方に特徴があります。桟を支える縦の部品より、桟の方が5mmほど上に出ています。これは両者に共通。ただ、オリジナルでは、その部品が、内側に少し引っこんだ位置に取り付けられています。

配当されたもの(上の写真)は、上下の位置はオリジナルの設計を尊重したものの、横の位置は変更されています。木で何かを作ろうとするとき、こうした設計の方が一般的ではあります。

しかし、平湯先生の考え方では、この縦の部品は目立たない方がよいので、外に見える部材から、少し内側に取り付けられているのです。その方が材料の歩留まりもよくなるという事情もあります。

ささいなことのように思えるかもしれませんが、注意深く見ると、平湯モデルの家具のあちこちに、こうした配慮がなされていることが分かります。

この配当されたブックスタンドを作った人は、残念ながらオリジナルの設計の意味を捉え損ね、改悪したモデルを作ってしまったことになります。

また、縦の部品は、オリジナルの2個から、3個に増やしてあるのですが、ここは、力がかかるわけではないし、2個でも十分役目を果たします。このブックスタンドのなかでは、斜めのカットが必要な、一番作りにくい部品を増やして、あえて過剰なスペックにした理由がわかりません。

2017年8月7日月曜日

K小訪問

研修会の折に、何とかしたいとの相談を受けていたのですが、今日、休みを取ってその学校に行ってきました。新しい団地に作られた学校です。


この写真の奥に玄関があります。ロケーションは最高。中央付近に写っているのは靴箱ですが、これが、せっかくのメリットをだいぶ潰してしまっています。

玄関から入口が見えにくいのです。これがなければ入口の雰囲気がずっとよくなったでしょうに。

さらに、これだけの空きスペースがあれば、もっと部屋を広くすることもできたでしょう。2教室分くらいの、市内の学校では標準的な広さですが、決して十分ではありません。


床置き書架の配置は、やや無秩序という印象でした。


その場で動かして、上のように改めました。だいぶすっきりして、空間も生み出すことができました。

壁面には、高書架と窓下書架が作り付けになっていますが、これがひどい代物でした。


棚の仕切りの入れ方が、2台分の幅を3分割するということになっているのです。本来は、この幅の真ん中に大きな仕切りがあり、さらに中間の仕切りが二つ入るべきところです。

仕切りを一つ外すことでコストダウンを計ったのでしょうか。そのために、使えないものになってしまいました。


棚の高さは、これまた中途半端なもので、結局、大きなサイズの本は最下段にしか入らず、私の勤務校同様、他の棚はすかすかなのに、最下段だけいっぱいということになっていました。

校舎を作る前にだいぶ希望を伝えたらしいのですが、ほとんど聞き入れてもらえなかったそうです。


窓下書架は、やはり仕切りの入れ方が変則的。よく見てもらうと分かると思いますが、標準的な幅2台分の横に、幅が1/2のものが一つ付いた形です。

せっかく、新しい校舎に新しい図書室ができたのに、使えない書架だらけ。なんとかなりませんか、というのが最初の相談だったのですが、これは何ともなりません。

責任者を出せ!と言いたいですが、誰も責任なんか取ってくれません。そういうシステムだから、こんな無責任なことが平気で行われるのでしょう。

国の方もひどいことになっていますが、地方は地方で、小規模ながらこんなていたらくです。

2017年8月6日日曜日

棚の高さ

配架をしていて、いつもぶつかるのは、棚の高さの問題です。


私の勤務校の壁面書架は、作り付けですが、一番下の一段だけ高さが高くなっています。

当然、大きめの本を入れるスペースは不足しています。これは何とか多少でも改善していかなければなりません。

そのために、大きめの本が入るような書架をいくつか作ろうと思います。

2017年8月5日土曜日

窓下書架

窓下書架は、こんな具合でした。


ほとんど使われていない本が、場所によっては2列に並べてありました。


古い百科事典。


美術全集ですが、この入れ方ではないのと一緒です。

窓下書架のほとんどの部分は、廃棄していい本の置き場として使われていたのでした。

研修会の人手を借りて、これらの本をすべて別の場所に動かしてもらいました。廃棄は、購入した数までという制約があるので、実際の廃棄は、長期計画で少しずつやっていくことになります。

本当は一気にやっつけたいのですが、指導主事と相談の上で、例外は作りたくなかったようなので、あきらめました。