学力向上研修会

今日は、終日市教委主催の研修会でした。

午前中は、お茶の水女子大学の耳塚寛明氏の講演。

全国学力学習状況調査を基にした氏の調査の中から、いろいろ興味深い数字を教えてもらいました。

所得の高い子のほうがよりよい教育を受けられる傾向について、２０１８年の調査では、何と６割以上の人が当然だ・やむをえないと考えていること。２００８年の調査では、問題であると考える人の割合が過半数だったのに、２０１３年の統計から、数字が逆転してしまったこと。

社会経済的背景が最低の層は、もっとも家庭で長く学習するグループでも、平均点で見ると、最高の層の家庭でまったく学習しないグループの成績に及ばないこと。つまり、社会経済的背景を努力で乗り越えることは困難であること。

経験的にも、経済力と学力は、集団としてみると相関しているとしか思えない実態がありますが、厳密な社会学の調査で、それがしっかり裏付けられたということです。


こうした現実に対して、それでは学校は何をすればよいのかということに関しては、成果のあがっている学校を訪問して実態調査するということがなされていました。

そこで出てきた結果は、特別のものではなく、さらにもう一歩踏み込んだ調査が求められると思いました。特に、成果があがっていない学校の実態は、ぜひ調査対象に入れてほしいものです。

こうした現実を何とかするのは、まず政治の責任です。現在の政治が、まったく逆の方向を向いてしまっていることは明らかです。もし、こうした現実をほうっておくわけにはいかないと思うなら、少なくとも現政権の継続はありえないでしょう。ここは、自民党の政治家の良識に期待したいと思います。


研修会運営のために、図書館担当の指導主事が来ていたので、先日のU中の蔵書の実態を話しておきました。時間があれば、様子を見にいってくれるそうです。廃棄が進めやすくなるかもしれません。