権力のコントロール

自民党の総裁の任期が、３選まで可能になったのは、２０１７年のことでした。権力のあり方として、同一の政権が長期化すれば、必ず腐敗や不都合が生じて来るというのが歴史の教えるところです。

日本の総理大臣とは比較にならないくらい強力な権限を持つアメリカの大統領も、３選はできないことになっています。将来的にもアメリカが民主的な国家であり続けることを担保するとても重要な決まりです。

そうした性格のことがらを簡単に覆してしまったという、その事実がすでに、民主主義の精神に反するものでした。口先でどのように言いつくろおうとも、その本質は消せません。

隣の国や、そのまた隣の大国でも、権力の長期化・絶対化が進行しています。歴史は、時間の経過に伴ってあらゆることが進歩していくはずだというのは、過去の世紀の幻想だったようです。

次に来るのは憲法の改正のようですが、そもそも憲法が何のためにあるのかということをよく理解もしていない人物が、憲法改正の音頭をとるというのが無茶なことです。

もう少しまともな議論のできる人物が現れるまで、とりあえずは変えずにおこうというのが今は吉であるように思います。