私の住む地方都市でも、さまざまなところで外国人が働いています。私の家の近所には、かなりの数の外国人が住んでいて、通勤のときなどによくすれ違います。全国的にも外国人の労働者は増えていて、コンビニはもちろん、レストランやホテル、農業労働者、工場労働者、漁業、海運、介護福祉等々、多くの職域で外国人の労働力なしには産業が成り立たなくなっています。
外国人が増えたのは、それだけ人出が必要だからです。もはや、必要とされる労働力を日本人だけではまかなえないのです。今回の選挙後、子育て世代の支援が極端に厚くなり、子どもを産もうというカップルが急に増えたとしても、その子等が働き手になるのは20年後です。今すぐに外国人にお帰りいただくわけにはいかないというのが大前提となる事実です。
今後も働いてもらわなければならないとしたら、そういう人達に、本当はあなた方にはここにいてほしくないのだと言える感覚が、私には理解できません。むしろ、何とか気持ちよく働けるように、懸命に条件整備をするというのがまっとうな対応でしょう。客のことを自分よりも大切にする、相手の立場に立って人を思いやるという「日本人の美徳」はどこへ行ったのでしょうか。
現在の日本は、他の先進国と比べると給与の水準が低く、円安の影響も相まって、外国から見たとき、働くのに魅力的な場所とは言えなくなってきているそうです。ならば、なおのこと、外国人が働きやすい環境を整えるべきです。報酬に魅力がなくても、安全で住みやすく、充実した福祉や教育を享受できるとなれば、それが来日する大きなインセンティブになるはずです。
税金や健康保険税を払ってもらうことも、外国人に働いてもらうメリットの一つです。外国人による健康保険のただ乗り論には、まったく根拠がないそうです。NHKによれば、日本人よりも、外国人の方が、納めた金額に対する使われた金額が少なかったそうです(働き手には若い人が多いから)。健康保険の財政は、外国人労働者によって助けられていることになります。
未来の日本を住みやすくするには、日本人ファーストではなく、外国人ファーストとでも言うべき政策を取らなければなりません。少なくとも、長く働こうと思う人には、永住権と、日本人と同等の権利を与えて、それを支えていくべきです。もちろん、同一労働同一賃金の原則も必要です。
教育に関しては、現在のところ、日本語が十分使えない外国人への対応は、お粗末な限りです。対応しようにも、中国語と韓国語以外のアジアの諸言語は、日本では学べる場所も限られていて、使える人材が育ちようもありません。早く手を打っておかないと、今後困ったことになりかねません。