西海市立S中図書館

2011年3月10日木曜日

クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ『錯覚の科学』木村博江訳、文芸春秋社、2011

行き当たりばったりに食指の動いた本を読んでいるだけなのですが、案外テーマにつながりが見つかったりして、喜んでます。

結構ページを割いて強調されていたのが、相関関係や時間の前後関係は、因果関係を意味しないということ。一人の体験の記述は、ただそれだけのものでしかないこと。テレビショッピング見てると、かならず、「一使用者の感想です」ってテロップが入るじゃないですか。


実験心理学の一般向け入門書といったテイストですが、えひめ丸沈没、ヒラリー・クリントンの戦場体験、リーマンショック、脳トレの効果など、広く知られている事件・事象に、実験心理学から光を当てると、どのように見えるか、実に面白い話題満載。373ページ一気読みでした。

モーツァルトを聴いても、頭はよくならない、なんてのも出てきます。それから、「性的な歌詞は、子どもたちをセックスに走らせる」という報道が実際にアメリカでなされたそうですが、裏付けることはできないと。「ケータイ小説が不良を育てる」というテーゼも絶対証明できません(shark-lib said)。

そういえば、どこやらの学校が、最新の脳科学を教育に生かす、なんて研究をマジでやってました。何だかなぁと思ってたんですが、この本を進呈することにしましょう。

よくテレビなどで見る、脳の部位の活性化を示すというカラーの映像、著者は「脳ポルノ写真」と呼んでます。含意は、うさんくさい。ちなみに、著者は2004年のイグ・ノーベル賞受賞者です。

あ、最後に一つ、脳の若々しさを保つには、週3回、ウォーキングすることだそうです。やっぱり体力は学力と関係あったんだ!!!(3月8日の入試問題分析と一緒に読んでくださいませ)

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