結構ページを割いて強調されていたのが、相関関係や時間の前後関係は、因果関係を意味しないということ。一人の体験の記述は、ただそれだけのものでしかないこと。テレビショッピング見てると、かならず、「一使用者の感想です」ってテロップが入るじゃないですか。
実験心理学の一般向け入門書といったテイストですが、えひめ丸沈没、ヒラリー・クリントンの戦場体験、リーマンショック、脳トレの効果など、広く知られている事件・事象に、実験心理学から光を当てると、どのように見えるか、実に面白い話題満載。373ページ一気読みでした。
モーツァルトを聴いても、頭はよくならない、なんてのも出てきます。それから、「性的な歌詞は、子どもたちをセックスに走らせる」という報道が実際にアメリカでなされたそうですが、裏付けることはできないと。「ケータイ小説が不良を育てる」というテーゼも絶対証明できません(shark-lib said)。
そういえば、どこやらの学校が、最新の脳科学を教育に生かす、なんて研究をマジでやってました。何だかなぁと思ってたんですが、この本を進呈することにしましょう。
よくテレビなどで見る、脳の部位の活性化を示すというカラーの映像、著者は「脳ポルノ写真」と呼んでます。含意は、うさんくさい。ちなみに、著者は2004年のイグ・ノーベル賞受賞者です。
あ、最後に一つ、脳の若々しさを保つには、週3回、ウォーキングすることだそうです。やっぱり体力は学力と関係あったんだ!!!(3月8日の入試問題分析と一緒に読んでくださいませ)
0 件のコメント:
コメントを投稿