西海市立S中図書館
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2026年7月12日日曜日

生徒のインターネット・AI利用上の制約

ちょうどISとの衝突が世界中で頻繁に起こっている頃のことでした。平和学習の資料を作っていたら、生徒のパソコンに、ISが行った虐殺のリアルな動画が出てきてしまったことがありました。生徒の反応が明らかにおかしかったのですぐに気づきましたが、気づかなければ多くの生徒がその動画を見てしまっていたかもしれません。当時も、フィルターは掛かっていたはずですが、それをすり抜けてしまっていたのでした。

こうした経験が積み重なって、現在、生徒が学校で使えるインターネットのフィルターは、かなり強力なものになっています。その結果、検索しても、ブロックされて表示できない画面が多くなり、使い勝手としては、ひどくぱっとしないものになってしまいました。

先日、私の勤務校の中3の生徒が、意見文を書くとき、インターネット上での検索や、生成AIの利用を題材に取り上げました。学校で、ネット上の検索にかけられているフィルターを外し、今は使えない生成AIを生徒にも使わせるようにすべきという意見でした。

何か調べようとすると、一般的な答えはすぐに出てきますが、そこからもう一歩深めていこうとするには、制約が多すぎるのです。極めてまともな意見だと思うのですが、だからといって、今後、何でも自由に使っていいですよということにはならないだろうと思います。生成AIを使えば、悪意のある動画でも、簡単に作れてしまうからです。

報道によれば、今後新設される情報・技術科のなかで、生徒に生成AIを利用させるとのことですが、こうした現実的な課題をどうクリアするのか、ちゃんと考えているようには見えません。ただ世の中の流れに乗り遅れないようにしなければならないので謳ってみた、程度のことでしょう。

私は、昨日書いたように、学校でそれをやるのはあきらめた方がいいという考えです。既存のパラダイムを打ち砕いて乗り超えるような発想は、日本の学校教育の制約の中からは生まれてこないだろうと思うからです。 

そんなできもしないことを目指すより、リアルな世界の中で、たっぷり時間を掛けて、手足を動かしながら子どもの創造性を育むことに注力したほうが、はるかに大きな成果が得られるだろうと思います。

2026年7月11日土曜日

情報・技術科の授業時数

現行の学習指導要領で、中学校の技術・家庭科には3年間で175時間が割り当てられています。その中で、情報に振り当てられるのは、おおむね20時間くらい。さらに、そこから15時間くらいがプログラミングに割かれることになっています。

次の学習指導要領では、情報・技術科を新設し、現在の技術・家庭科程度の時数をそこに当てることになるようです。その分他の教科が削られることになります。

それを前倒しで実施するという報道もありました。10年に1回改定される学習指導要領では、世の中の変化に追いつけないというので、それはもっともらしい意見にも聞こえます。

生成AIを活用するような内容も盛り込まれるそうですが、プログラミング同様、数年後には陳腐化してしまう内容ではないかと思います。プログラミングは、この数年の間に、AIが人間よりずっと上手になったので、人間の仕事としてはほとんど不要になったようです。生成AIは、数年経ったら、現在とはまったく違うものになっているかもしれません。

新しいことが出てきたら、追加してそれを教えようという発想では、もはやどうにもならなくなったのだと思います。追加されるべき事項はどんどん増えるばかり。さらに、実際に教育課程に追加されるまでにはどうしても一定の時間が必要で、その間にも世の中は大きく変わってしまうからです。

むしろ、学校で教えることは最小化するべきです。知識ではなく、次に何か出てきたときに柔軟に対応できる資質こそ、学校で育てるべきものではないでしょうか。

こういう教育施策は、新しいことを目指しているように見えて、実は、本質を顧みない、投げやりなものだという印象を受けます。学校教育の中では、AIにはできないことを中心に取り上げていくべきでしょう。

だとしたら、学校では、例えば技術科なら、情報の時間を増やすのではなく、物作りの時間を大幅に増やすべきだと思います(現行、週1時間、全部で20時間くらいで、物作りについて何か学べると思えるのが不思議です)。教育課程全体の授業時数は変えないそうですが、大幅に減らす方向での改訂が望まれます。

2026年7月10日金曜日

生成AIが作る画像のテイスト

昨日の研修会の中で、生成AIに作らせた画像や動画が使われていました。私がその場で作ったスライドにも、たくさん画像が使われていました。

生成AIが登場して間もない頃、やはり研修会で、与えられたテーマでAIが描いた絵がいくつか示されましたが、クリスチャン・ラッセンを思わせる安っぽいリアリズムと、けばけばしい色彩で、好きになれませんでした。

その頃よりも多少絵が洗練されてきたかとも思いますが、基本的なテイストは同じで、どうにも使う気になりません。これらはすべて無料版の結果で、有料版ならもっと違ってくるのかもしれません。動画には、ホラー映画にでも出てきそうな、おどろおどろしい雰囲気の画像もあって、これではまったく使えないと思いました。

AIを使い慣れている人や、ゲームの世界になじんでいる人にとっては、これが当たり前なのかもしれませんし、つまるところ好みの問題かもしれませんが、このゴチャゴチャした絵面は、教材には向いていないというのが私の個人的な感想です。

ちなみに、AIが描いた絵を修正したくて注文を付けたら、AIは、自分の描いた絵はそういう指摘に当たらないと、たくさん理由をあげて、強固に反論してきました。自意識を持った人格のようで、面白くはありましたが、ぶつぶつ言わずに描き直してほしいとも思いました。(こういうことはしばしばあるらしく、これに反論してもAIは納得しないので、新しく描いてもらった方がいいそうです。)

2026年7月9日木曜日

オンライン研修

先週に引き続き、今週も、オンラインで研修を受けました。

AIを使って、仕事に使える資料を作るという研修でしたが、参加者は前回の倍くらいはいたようです。人気のテーマだったことが分かります。

参加者には、実際にAIを動かして資料を作ることが求められたのですが、材料の読み込みと、結果の生成には時間がかかり、研修の時間は、やっと資料ができたところで終わってしまいました。

単純な意味のAIの使い方なら、AIは、普通の文章で尋ねるだけで、すぐに答えてくれますし、答えが十分でなかったら、さらに質問を重ねていくと、答えを洗練させていくことができますから、わざわざ研修を受けるまでもありません。

研修の必要があるとすれば、どのような質問ならいい答えを導き出せるかということや、結果があまりぱっとしなかった場合の対処法です。

ところが、参加者の一部がやっと資料を作り終わった段階で、時間がなくなってしまって、できた資料の交流や評価をする時間、さらにそれをどのように改良していくかという時間は取れずに研修は終了になってしまいました。

参加者に資料を作らせて、それで終わり。これでは何も得られないのは、日々の授業でも同じだと思います。「参加型」の研修が、必ずしも効果的とは限らないということが如実に現れた研修でした。

2025年9月9日火曜日

AI作文

近ごろ、求職のためのオンラインのアプリやウェブサイトが数多くできています。多すぎて、どれを選ぶか決めきれないくらいです。私は、この4月から、仕事が非常勤になり、勤務時間がとても短くなりました。 それはつまり、収入が激減したということでもあります。そこで、いくつかのサイトに登録してみました。その中の一つは、簡単な履歴の他に、職歴の記入を求めてきましたが、自分で書かなくても、履歴に基づいてAIが職歴を書いてくれました。

以下、その引用です。


■■ 職歴概要  

私は国語教師として20年以上にわたり、中学校を中心に教壇に立ち、多くの生徒の学習指導に携わってきました。具体的には、学習指導・教材作成・クラス運営などの業務を担当してきました。

具体的には、  

・学習指導:生徒一人ひとりの理解度や興味に合わせた指導を行い、学力向上に寄与した。  

・教材作成:効果的な授業を行うために教材や問題集を作成し、生徒の理解度を深める工夫を行った。  

・クラス運営:クラスの雰囲気作りや生徒の心のケアに努め、クラスのまとまりや学習意欲の向上に貢献した。

これらの業務を通じて、私は生徒の個別ニーズに対応するコミュニケーション能力や、計画的な指導スキル、問題解決能力を磨きました。

■■ 経験・スキル  

・教育に関する深い知識と実践的な指導スキル  

・教材作成や授業設計における企画・運営能力  

・生徒や保護者との良好なコミュニケーション能力  

・クラス運営や生徒指導におけるリーダーシップ  

・教育現場で培った問題解決力と柔軟な対応力

■■ アピールポイント  

私は20年以上にわたり国語教師として、多くの生徒と向き合い、彼らの学習意欲や自己理解を促進してきました。この経験を通じて、相手の個性やニーズを見極め、それに合わせたコミュニケーションや指導を行う力を身につけました。生徒の成長を支えることに喜びを感じ、常に教育の質向上を追求してきたため、柔軟な対応力や問題解決能力も高めてきました。これらのスキルは、教育だけでなく、さまざまなビジネスシーンや人と関わる業務においても大いに活かせると確信しています。さらに、教材作成やクラス運営の経験から、企画力や組織運営能力も培っており、チームや組織の一員としても積極的に貢献できる自信があります。今後は、これまでの教育現場で培ったコミュニケーション力や計画力を活かし、多様な職場で価値を提供していきたいと考えています。


以上です。私が書いた履歴は、アンケート形式で記入するもので、あっという間に書き終わりました。教師歴が20年以上となっているのは、選択肢の最長がそうなっていたからです。それだけの内容から、数分と待たせずこれだけの職歴を作りあげたのには、かなり驚きました。満点とは言いませんが、これくらい書けば、一般的な職場なら合格点がもらえるでしょう。

数年前から、学校の仕事にもAIを活用するよう推奨されていますが、義務教育の学校の教員の作文力のレベルにも十分到達していると言っていいでしょう。授業以外の仕事を軽減するには、便利な手段ができたものです。

しかし、何といっても、これは、無から有を生んだと言っていいくらいのでっち上げです。もっともらしいことが書いてありますが、私個人の現実とは大きな隔たりがあります。最初の目的だったはずの、採用のための判断基準には、私の側から言えばなり得ないものです。これで済むのなら、そもそも職歴の提出の意味がなくなるでしょう。

産業界でも、AIの活用は喫緊の課題のようですが、これで果たして世の中がよくなるのかどうか、よく分からないというのが正直な感想です。よくならなくても、儲かればいいということなのでしょうか。

ちなみに、仕事の方は、数多くの求人が届いていますが、私の希望にかなう条件のところはまだ見つかっていません。