全集が刊行され始めたのがちょうど私が高校を卒業する頃で(あ、年齢がばれる)、そのとき私は生まれて初めて全集と名のつくものを買ったのでした。その頃の全集にしては珍しく、装丁はペーパーバックで、わざと天の部分の裁断もされていませんでした。
金子光晴は、全集の刊行が始まって間もなく亡くなってます。記憶ではもう少し長生きだったように思ったんですが。晩年、週刊誌などに世の中のためにまったくなりそうもない雑文を書き散らしていたのを覚えています。高校生の頃、そんなものを読んで喜んでたことになります。けしからん高校生だ。
たぶんその頃は金子光晴がなぜそんなことをやっているのか、よくわかりませんでしたが(って、何のことかわからないと思いますが、ここにはとても書けないようなしょーもないことを盛んにやっていました)、文学者っていうのは、こういう風に老いていかなくちゃ、っていう見本のような人でした。
で、話が戻るんですが、田を作らずに詩を書く詩人や文学者も、やっぱりいてもらわなくちゃ、とつくづく思った今日この頃でした(やっぱり何のことかわからん)。
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