文字は技術室に転がっていたアガチスの端材をもらって使いました。アガチスは、ラワンが手に入りにくくなった後、中学校技術科の木材加工では一番よく使われる材料です。柔らかくて加工しやすいです。SPF材は、フシが多く、材質にムラがあるので、文字には向きません。
アガチス材 |
コピーした文字を、文字にする板材にのりで貼ります。ベニヤ板の場合は、カーボン紙で転写しましたが(2010年11月2日のブログ参照)、ムクの板材なら貼り付けてかまいません。
後ではがすとき水を使いますが、合板は水を吸いやすく、種類によっては水を吸ったら板の接着がはがれてしまうこともあります。ムクの木なら、しばらく水につけておいて、簡単にはがすことができます。
ドリルで小さな穴をあけ、そこに刃を通して使います。刃の上部が、簡単に外れ、アームが動かせるようになっています。
あとは、慌てずに、ゆっくり切ること。力は必ず正面から向こう側にかけて、横にずれないようにすること。カーブを切るときは、板の方を回転させながら切り進めることなどが注意点です。
切り出した結果です。しばらく水につけておいて、のりで貼った文字をはがします。
図書館の看板では「書」の字から逃れられません。横画だらけで文字も切り出しにくいですが、これは致し方ありません。
ただ、対処が皆無というわけでもありません。1月17日に紹介した、平湯先生の試作品、よく見ると、枝で作った方は、横画が一本省略されています。
これは、高速道路の看板などでよく使われる手です。こんなときは、3月10日に紹介したヒトの思い込み(『錯覚の科学』)が役に立ちます。横画が足りなくても、この字は「書」としか読めません。あ、足りない、と気付くのは極めて少数のひとでしょう。
ただし、そのためには新しいフォントをデザインしなければならないので、文字のデザインにパソコンのフォントを利用する場合は、要注意です。
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