西海市立S中図書館

2011年7月22日金曜日

長倉康彦『開かれた学校』NHKブックス、1973

先日、平湯先生のところに行ったとき、たまたま机の上に出ていました。



「こんな本が読みたい!」と思っていると、その本が現れる、というのはよくあることです。別に超能力の話をしているのではありません。

たぶん、人の認識というのは、そのようにできているのでしょう。自分の欲するものが見つかるように。

さて、このタイトルになっている言葉は、ずいぶん前から耳になじんでいましたが、こんな頃から使われていたのですね。

例の、人気のない「オープンスペース」がどうして必要であったか、どのようないきさつで日本の学校に取り入れられることになったのか、この本を読むとよくわかります。

私が図書館の改造に取り組んでいるのも、大きく言えば、ここで論じられているような、学校建築の貧困が背景にあります。

細長くて無機質な校舎の廊下沿いに並んだ教室が、建築家の視点からどのように見えるのか。

それは、日本の学校文化全体の貧困ということでもあります。

絶版ですが、古書はたくさん出ています。さっそくアマゾンで注文しました。

ちなみに、私の母校の大学の構想も論じられていました。ちょうど建設途上の学園都市だったのですが、建築史の上でこんな位置づけができたのだと、今頃再認識してます。そういえば敷地に囲いはなかったし、学生宿舎も都市の設計の中に組み込まれてました。

関東平野の広大な敷地に、赤松林を開いて学園都市ができはじめた頃で、友人の中には自らの手で自分の学校を造った(アルバイトです)奴もいたのでした。

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