いや、久しぶりに演劇みました。恥ずかしながら、地元劇団の公演を観たのは始めてでした。
ユーモアと文明批評のたっぷりつまった、なかなか見応えのある舞台でした。私たちの持っている価値観の幻想をあらわにする、という感じ。
ともすれば、劇や文学作品での方言の使用は、鼻につくものになりがちですが、台詞にはごく自然に長崎弁が使われていて、長崎弁が表現の言葉になっていることも新鮮でした。
私は、子どもの頃本をたくさん読みましたが、本はもちろん標準語の世界。自分では、方言と標準語のバイリンガルとして育ったと思っています。
しかも、学生のころは関東に出て行ったので、完全な二重言語生活でした。それが一つに近づいたのは、もうずいぶん年齢を重ねてからのことでした。
自分の中では、表現の言語は標準語なのです。しかし、自分自身の生活と感情はもっぱら方言の方にあるので、そのギャップにはなかなか苦労しました。
それが無理なく結びついていたのは、演出者の力量でしょうか。
言葉以外の部分でも、ローカルな価値と普遍的な価値の衝突が、具体的なものや人物の行動を通して手際よく描かれていて、2時間の舞台、あっという間に過ぎてました。
0 件のコメント:
コメントを投稿