ある高校の指導主事が、「孔子の時代には紙がなかったので、図書館もなかった」と言っていたことがありました。
「そんなことはないです。アニメの『孔子傳』見てください」と言おうかと思ったのですが、とってもエラい方だったのでつい遠慮して言わずにきてしまいました。活字の本と辞書だけで勉強してると、こうなるかもしれません。
「たくさんのふしぎ」シリーズの『本のれきし5000年』や、モーリーン・サワ/ビル・スレイヴィンの『本と図書館の歴史』にも、ちゃんと紙の発明以前の、本や図書館のことが出てきます。
最近公開された映画『孔子の教え』(原題『孔子』予告編があります。:http://www.koushinooshie.jp/)には、室内に山積みされた竹簡や、旅をするために荷車に積まれた竹簡の映像がでてきます。
真冬の池(川?)に落ちた竹簡の山を、顔回が飛び込んで救おうとするシーンは印象的でした。そのために顔回は死んでしまいます。
あれ、顔回は病気で死んだんじゃなかった?
映画は、孔子の生涯をかなり自由に描いたもののようです。
山田史生さんの『孔子はこう考えた』も、孔子の言葉を借りて著者の人生観を述べた類いの著作かもしれません。
映画の中で、たまに出てくる孔子の言葉は、「あ、これはこんな意味だったのか」とはっとさせられるものでした。
この本の中でも、孔子の言葉は山田さんが想像した具体的な文脈の中で生き生きと語られます。ときには、テキストの正統的な解釈からの大幅な逸脱も恐れないという筆の運び。
こういう読み方をすれば、『論語』も現代によみがえるかもしれません。
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