昨日の続きです。
次に出てくるのは「気持ちを込めて書こう~手紙を書く」という単元。旧版では1年生に出てました。
改まった手紙の書き方。
例文は、職場体験学習のお礼状。
実際のところ、生徒にとって現実的な課題としては、小学校の先生に近況報告をするとか、職場体験や、宿泊学習でお世話になったところにお礼状を書くといったことになるでしょうか。
電子メールがこれだけ普及してしまうと、手書きの手紙なんか、実際に使う機会出てくるのかどうか、と思ってしまいます。
そして、電子メールの場合、書き方も当然変わってきます。悠長に時候の挨拶なんかやってられません。書いてもいいけど、読まれないでしょう。用件を簡潔に書くこと。これにつきます。
手紙の次は、「相手の立場を尊重しよう」という話し合いの単元。「中学生に携帯電話は必要なのか」という新聞投書が教材になっています。
賛成・反対両方の立場からの意見の述べかたや、相手の考えを受け入れるためのヒントや例文も入っています。
ただ、例にあがっている携帯電話の文章は、「中学生に携帯電話は必要ない」という立場にバイアスがかかっているので、反対の意見がやや述べにくいかもしれません。
それと、「話す・聞く」の領域で、2年生の最初は、「要点を整理して聞き取ろう」、次がここで、パネルディスカッション、インタビューと続きます。
領域の中での系統性とかは、あまり考慮されてないようです。
何かに賛成か反対かと、二つに一つで考えるのは、単純な思考のようにも思えますが、中学生レベルの実態として、論点をあまり複雑にすると、かえって話し合いになりにくくなるので、ディベートの考え方は使えるのではないかと思います。
パネルディスカッションは、複雑な問題を議論するにはいい形だと思いますが、パネリストに、その道の専門家を何人も用意しなければなりません。話し合いのパターンをいろいろ教えておくことも必要かもしれませんが、現実には授業では使いにくい方法だと思います。
一昨日読んだ最後の教材は、「君は『最後の晩餐』を知っているか」(布施英利著、書き下ろし)。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の鑑賞のための「評論」。
内容は、美術史のテキストには必ず書いてあるようなことですが、教科書でこのての文章が出てきたのは新鮮に感じられます。
以前は、教科書ではあまり価値判断を入れないのがよしとされていたのが、ちゃんと価値を論じる文章が登場してきました。そもそも価値についてニュートラルに何かが書けるというのが、ナイーブするぎる考え方なので。
編集はここにはかなり力を入れたみたいで、「最後の晩餐」の折り込みの図版が入ってます。
さて、このテーマで、果たして、生徒がどれくらい食いついてくれるでしょうか。
「きずなを読む」と題された第4単元の最後には、漢字を学習するページがあります。旧版に比べて、問題数が大幅に少なくなりました。もともと、問題数が多すぎる上に、わかりにくい問題がたくさんあったので、これくらいでよしとしましょう。
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