西海市立S中図書館

2013年3月10日日曜日

坂本廣子『地震の時の料理ワザ』柴田書店、2006

東日本大震災から丸2年がたちました。私たちの生活のあり方を根底から問い直すできごとだったと思うのですが、世の中は、なんだかますますわからなくなってきているように思います。

さて、著者は、阪神・淡路大震災の経験から、極めて具体的に、非常時の料理について書いています。2006年に初版、2011年5月に7版とありますから、かなりよく読まれてきたものなのでしょう。


料理の中身は本書を読んでもらうとして、印象に残ったところを2か所引用します。

「いつものごはんがいつものように食べられることが、どんなに幸福なことであるかも、失ってはじめて分かりました。(中略)本当の復興は、毎日のごはんが何気なく作ることのできる『ごはん指数』で計ってほしいのです。そして、ふたたびの被災時には、どんな時も『食』を計画の中に忘れずに組み込んでいただきたい。」

「発展途上にある子供の脳に飢餓が訪れると、その脳は取り返しのつかないダメージを受けてしまいます。(中略)WHOでは、飢餓地帯の子供に対して、最小限度しか食べ物がないときでも、その10%を豆に置き換えることで、子供の脳の発達が保証されるとして『10%の豆』をすすめています。(中略)そこでおすすめは、日本ではなじみの深い小豆でつくった「ようかん」そして、「煎り豆」です。」

引用が長くなりました。本文125ページの薄い本ですが、1度読んでおいていい本だと思います。

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