西海市立S中図書館

2013年4月26日金曜日

全国学力学習状況調査の問題分析(国語)

問題を眺めてみると、特徴的なことが二つ。

一つは、話し合いとか、図書便りの記事、催し物の案内ちらし、スピーチといった、極めて実用的な言語活動を題材にした問題が多いこと。

もう一つは、一つ目とはちぐはぐに感じるのですが、古典的な文章の嗜好。

出てくる作家の名前を並べると、高村光太郎、芥川龍之介、川端康成、星新一となっています。星新一はともかく、選択が極めて保守的。問題の内容を見ると、必ずしもこの人たちでなくてもよかったのに、と思ってしまいます。


次に、高村光太郎の文章の後の問題の選択肢、長くなりますが引用します。


1 まだ冬であるにもかかわらず、春が来たと勘違いした木の枝が芽を出した様子を見付けたから。
2 枝々が冬の間全ての活動を止めていることを、ゆっくりと休んでいるようだと感じ取ったから。
3 葉が全て枯れ落ちてしまったことを、枝々が身軽になってすっきりしたように受け止めたから。
4 枯れたように見える枝も、内部では花を咲かせる準備を生き生きと進めていると想像したから。


一つは、ここに見られる自然の過剰な擬人化。そういう文章をわざわざ持ってきたということなんですが、痛ましい爪痕を残す津波の凄惨さのような、自然の厳しさは、ここにはみじんも感じられません。

また、勘のいい人は、問題を見なくてもここから正解を選べるのではないかと思います。

国語では、道徳的に「正しい」答が正解になるという例の法則が、見事にあてはまります。正解はまだ発表されていませんが、答は4のはずです。

(この稿続く)

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