西海市立S中図書館

2015年5月28日木曜日

教科書採択(中学校)

昨日・今日の2日間、校内で、次年度から使われる新しい教科書の見本の展示がありました。たくさんの学校を巡回するのでこんなに短いのでしょうが、国語科の場合、「国語」が5社。それに「書写」の3社の見本があります。ぱらぱらとめくってみるくらいの時間しかありませんでした。

そして、どれがよいかというアンケートが求められます。以前に比べると、ずいぶん簡略化されました。

学校に関わるいろいろは、何でも面倒になることが多い中で、末端の手続が簡単になるというのは珍しいことですが、これは、「新しい歴史教科書をつくる会」をめぐる一連の騒動の中で、教科書採択の方法が変えられたことに起因します。

端的に言えば、末端の教員の意見ではなくて、教育委員会の意見をより重視するような方向に制度が変わったのです。教科書会社も、以前はせっせと各学校を回って営業活動をしていましたが、最近はめっきりその姿も少なくなりました。

教科書の採択において、歴史教科書の場合のように、イデオロギーが問題になるのはむしろ例外です。出版社にしてみれば、いったん採択になると、少なくとも4年間は確実に児童・生徒数分売れるということで、何とか採択を得ようと各方面に働きかけます。


そうした競争が、教科書を改善する方向で働けばよいのですが、なかなかそうでもないのが現実です。

義務教育が無償であるという憲法の理念は、教科書の無償給与によってかろうじて実現されています。義務教育の公立学校では、授業料はいりませんが、他にはたくさんお金がかかりますから。

国家の存立の危機を論じることも必要でしょうが、憲法に書かれているその他のことが、ちゃんと実現されているかどうか、ということをもっと追求してほしいと思います。

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