昨年の8月6日に、富岡製糸場のことを書きましたが、ここでも「世界遺産」という言葉にいささか疑問を感じざるを得ませんでした。
単純な話ですが、世界遺産に登録されたと聞いて、たくさんの観光客が訪れるでしょう。今まで顧みられなかったような場所に注目が集まるのは結構なことです。でも、遠方から足を運んでみたものの、見るべきものがなかったと感じるとしたらいかがなものでしょう。
単純な話ですが、世界遺産に登録されたと聞いて、たくさんの観光客が訪れるでしょう。今まで顧みられなかったような場所に注目が集まるのは結構なことです。でも、遠方から足を運んでみたものの、見るべきものがなかったと感じるとしたらいかがなものでしょう。
恵美須ヶ鼻造船所跡です。手前に写っているのは、当時の防波堤。縄張りがしてあるのは、当時の図面を元に、作業場のあった位置を示したものです。これが、この遺跡のすべてです。
残っているのは、防波堤だけ?観光用のリーフレットなどには、防波堤の写真が出ています。しかし、防波堤は造船所の遺構なんでしょうか。ちょっとこじつけのような気がしないでもありません。
幕末に、ここで2隻の木造帆船が建造されたようですが、それは使い物になる船だったのでしょうか。歴史の教科書などに載っている萩反射炉もこのすぐ近くです。それは、規模の小さな試作品で、実際には役に立たなかったようです。
試行錯誤の跡も、近代化の大切な足跡でしょう。それを学ぶことには大いに意義があると思います。でも、それをあえて世界遺産と呼ばなければならないものかどうか。
「世界」と冠するからには、登録する際に、それなりの規模や質も求めてほしいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
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