西海市立S中図書館

2016年2月18日木曜日

校内研修

今日は、県の教育センターから、指導主事など4名が来校して、校内研修がありました。

テーマは、学力向上。研修会が終わってから、総務部企画課の主任指導主事に意見を述べました。

一つは、県の学力調査の検証問題(国語)について。図書館の貸出数を増やす取り組みについて書けという問題なんですが、その条件の一つが、漱石なんかの小説が意外と売れているという新聞記事(架空のもの)を利用しろというのでした。あれはひどい問題だった、と伝えておきました。

中学校の図書館に、明治の文豪の小説を並べて、貸出数が増えるはずもありません。架空のこととは言え、そういう設定で問題を作るというセンスのなさにはあきれてしまいます。

もう一つは、学力の実態のとらえ方について。

国や県の学力調査では、得点ではなくて、正答率を出します。そして、その高低によって、学力の課題がどこにあるのかを判断するようになっています。

前記の検証問題もそうなんですが、複数の条件を出して文章を書かせる問題では、正答率がかなり低くて、そこに課題があるとされています。

それが課題であることに間違いはないのですが、この問題の正答は、複数の条件すべてを満たした答だけが数えられたものです。

複数の条件がある、単純化して言えば、難しい出題。難しい問題の正答率が低かったというのは、当たり前のことで、そこに本当に課題があるかどうかを確かめるには、もう少し幅広い見方が必要になるのではないかと思っています。

そんな話しをしていたら、主任指導主事は、ここでは議論したくないという面持ちで、黙って聞いておられました。別の指導主事が横から意見を述べられましたが、話はかみ合わず、論点を捉え損なっておられたか、センターの事業を批判されてはプライドが許さないので話をそらそうとしていたか、どちらかという印象でした。

ただ、(教育センターが)問題を単純化して示しているということは認めておられました。

難しい問題に高い正答率を求めようというのに、それを中心になってやっている大元の、さらに中心にいる人たちがこの有様ですから、学力なんか向上するわけないよと言いたくなりました。

だって、本当の課題がそこになかったとしたら、検証問題なんてまったく意味をなしません。少なくとも、本当は何が課題かという議論は大いになされてしかるべきです。点数低いからそれが課題だなんて、小学生でも言えるでしょう。

(もっとも、この「検証」という奴が、何回繰り返してもいいから、とにかく高い正答率をたたき出せ、という類のものなので、そもそも何を検証したいのやら、よく分からない代物ではあるのですが。)

ついでに苦情を言えば、センターから持参されたPCとプロジェクターがうまく働かず、スムーズに始まらなかった上に、途中でもしばしばマウスの不調とやらでもたつきました。

プレゼン画面は、とても見えないような小さな文字が一杯詰まったもの。

教育のICT化なんてことも、強力に打ち出しているはずなんですが、親方の腕があやしい。総務部企画課では、忙しすぎて、あまりプレゼンなんてしないのでしょうね。

丸2時間、途中休憩も入らない勢いで、職員はよく耐えました。参加型を装ってはいるものの、実質は講義形式。

県教委が唱える教育改革も、絵に描いた餅であると深く実感した一日でした。

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