西海市立S中図書館

2024年5月9日木曜日

花と俳句 ナデシコ 2

前回から少し間が開きましたが、再びナデシコです。

撫子へ頑張らないのが一番よ 尾上有紀子


作者の素性はよく知らないのですが、句集なども出ているので、ある程度名の通った俳人なのだろうと思います。「撫子」が、文字通り花のことを言っているのか、別の誰かなのかは分かりませんが、いずれにしても、言いたいことは明らかです。

最近、世の中の風向きもだいぶ変わっては来ましたが、学校というのは、何につけても頑張るのがよしとされる社会です。「頑張ることが一番」ということを誰も疑っていないかのようです。そのためか、堂々とこういう主張がなされると、とても清々しい印象を受けます。

嵐のときは、それに堂々と立ち向かう大木よりも、風になびいて倒れる草の方が生き残れるかもしれないというのは、世間では普通に存在する価値観だと思いますが、学校ではそれが忘れられてしまいがちです。

余談ですが、この作品のコピーを事務職員に渡したら、その内容にいたく感激していました。

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