西海市立S中図書館

2011年1月10日月曜日

「文学」の授業のことなど

熱海で行われた研究会で、東大の佐藤学氏のお話を聞きました。

先日発表されて、日本の学力低下に歯止めがかかったと報道されたPISA調査の裏話などあって、面白かったです。発表された数字は、そのまま信用できないものもあるようですし、何より、調査結果(得点)がその国の教育の成果を示すと考えること自体に問題があるという趣旨の話でした。

オリンピックやサッカーの試合のような取り組みをした国もあったようですし、結果としての得点のみに注目して、その向上を図るという考え方は、すでに氏の目指すものとは別物です。

読書に関しては、日本の子どもは世界で一番本が好きだが、世界でもっとも本を読んでいないという点にも言及されました。この点については数字をよく確かめてみます。

新学習指導要領の根本的な問題点にも言及されました。
さて、具体的な強化指導に関してですが、いろいろな教科に氏の考えを適用して課題作りをするに当たって、「文学」による課題追求は難しいという話題が出てきました。「文学」は、課題追求ではなく味わうこと・深め合うことが大切だという趣旨の話でした。「国語」と言わず「文学」と言われたことも大いに気になったところではあります。

そうした文脈の中で、「ウミガメと少年」を使った授業のビデオを見て、授業研究を行いました。途中、挿絵を使って課題のヒントにしたことについて、参加者の多くは疑問を感じていたのですが、佐藤氏から「これはもともと絵本であり、絵本に関しては絵もテキストの一部と考える」というコメントがありました。

この研究会に参加すると、私自身の視線が教師と授業の構成や意図のほうにばかり向いて、肝心の生徒の学びが成立したのかどうかという点に行っていないことを思い知らされます。

その後、三重大の岡野昇氏による、体育の授業を根本から見直すという内容の講演がありましたが、実際に参加者も身体を動かしながら感じ取った内容は、まさに目からうろこ(!)というものでした。体育がとても苦手だった私には氏の言われることが身にしみました。

ホテルのロビーに設置されたパソコンで書いてますが、短い言葉で今日の内容を伝えるのは難しいです。今週金曜に私のサークルの研究会があるので、そのときにはきちんとした報告をしようと思っています。久々に理屈っぽい話になってしまいました。

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