西海市立S中図書館

2011年1月23日日曜日

図書館とは何か(平湯文夫氏の言葉)

「ただ本が好きだから図書館に関わっているわけじゃないんですよ。もっと切実なものなんです。」平湯先生の言葉です。

軍国主義一色だった第二次世界大戦中から戦後へ、世界は一気に180度転回しますが、たちまち反動的な動きが起こり、生まれたばかりの戦後民主主義は危機を迎えることになります。

青春時代をこうした激しい流れのまっただ中で送った平湯先生は、本の世界の中にこそ自分を確立するための手だてがあると考えるにいたったそうです。そのためにどうしても図書館が必要なんだと。

「本は文化です。ただ読まれればいい、ただ新しければいいというものではないでしょう。不易流行なんです。」

いつも、蔵書の鮮度が大切だと強調する平湯先生ですが、新しいものだけでは不足と考えているようです。不易の部分が必要だと。

「いつも、図書館とは何か、という本質的なことを考えているんです。ただディスプレイのノウハウを伝えたいんじゃない。でも、そこはあまり聞いてもらえないんです。」

図書館の仕事の背後にある哲学が、なかなか分かってもらえないということ。

昨日は、家具購入のことで相談に行ったら、久しぶりの図書館談義に熱が入りました。

76歳になっても何かに突き動かされているかのような仕事ぶり、平湯先生の図書館に掛ける情熱とエネルギーがいったいどこから出てくるのだろうと、日頃から不思議に思っていたのですが、なるほどそういうことだったのかと少し分かったように思いました。

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