西海市立S中図書館

2013年1月27日日曜日

円空展(東京国立博物館)

所用で上京したついでに、国立博物館の円空展へ。


学生の頃、円空の仏像見て打ちのめされていました。それがなぜだか、その頃は説明できなかったのですが、今はよくわかる気がします。

国立博物館に収蔵されている他の仏像彫刻が、円空を見た後では、みんな陳腐に見えてしまいました。決して駄作というわけではないはずなのに。

宗教にかかわる芸術は、様式を大切にします。円空も、もちろん様式にのっとって仏像を彫っているのですが、何かの都合で、円空はそれを易々と乗り越えてしまいます。

それは、素材にした木の都合だったりもしたはずですが、ほとんどの作品が左右非対称であるところには、シンメトリーをあえてくずすことにこだわった円空のセンスが生きているように思いました。

それと、数の問題。円空は生涯に12万体の仏像を彫ったそうです。仏師として仕事をした30年で割ると、1年に4千体。尋常ではない数字です。

円空にとっては、彫ることが衆生を救うことだったのだろうと想像します。その超人的なエネルギーに、やはり圧倒されてしまうのでした。

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