西海市立S中図書館

2017年8月10日木曜日

床置き書架の使い方

二つ前の学校(F中)に赴任したばかりの頃の写真です。



この学校には、平湯先生に直接来てもらいました。ここには、平湯モデルを模した床置き書架がいくつかありました。

せっかく高さを抑えた書架を使っているのに、最上段に大きな本を並べてしまうと、その良さを殺してしまうので、こういう使い方はしない方がよいとの指摘がありました。

そのときはなるほどと思って聞いて、すぐに配架をやり直したのですが、こうした使い方が見られるのは、実は、この学校だけではありませんでした。

後から考えると、こうなってしまいがちな理由もあったのだと思いあたりました。要するに、大きめの本を入れる場所がないので、入れやすい最上段に置いたということでしょう。

固定棚の床置き書架の横には、大型本を入れる書架が必要です。次の写真は、久米南町立図書館のものだと思いますが、平湯モデル本来の持ち味を生かすためには、こうした手当が必須だということです。

『図書館を生きかえらせる シリーズNo.2』
(平湯モデル図書館家具カタログ[新訂3版]埼玉福祉会2013)より

なるべく分類を崩さず並べたいという志向もあると思いますが、その原則を貫こうとすると、棚は、大きな本の高さに合わせることになって、空間に大幅な無駄が生じてしまいます。

結局どこかで妥協が必要ですが、後は、優先順位をどうするかという問題でしょう。そこには好みの問題もからんできて、平湯モデルへの評価が好悪両極端に分かれる理由になっているような気がします。

もっとも、公立の義務教育の学校の現状は、これまで述べてきたように、そもそものハードの整備がでたらめなので、議論にもなりませんが。

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