西海市立S中図書館

2017年11月15日水曜日

学力の向上?

一昨日の講演会の中の話題で、気になったことが一つあります。

「ゆとり教育」の弊害で学力が低下したというのは嘘だったというのは、すでに識者が指摘していることで、たぶんその通りだと思っていますが、その後の国を挙げての取り組みで、学力が向上してきた、というのも怪しいと思っています。

研修中に、昨年の学力学習状況調査のB問題が示され、正答率の予想を立てたのですが、参加者の予想がおしなべて30%前後と低かったのに対して、実際は60%以上の正答があったとのことでした。

国は、これをもって、学力向上対策の成果が上がったと言いたいのかもしれませんが、はなはだ怪しい議論です。

県の学力調査にあった同じような傾向の問題の正答率が低くて、ずっとそこに課題があると言われ続けているのですが、これは、ピンポイントで課題を示して対策をしているはずなのに、なかなか数字が改善していません。

講演者も指摘していたように、国の調査の好結果は、単に、そういう傾向の問題に子どもたちが慣れてきただけだったのではないか、という疑いがあります。

子どもたちの学力がどういう実態にあるのかというのは、気になることではありますが、
それが経年でどのように変化しているかなんてことは、簡単に計れることではありません。検査対象は毎年変わるし、問題も違うからです。また、政策を実行している側は、こじつけでも成果を上げたと言いたいので、結果の中からそういう数字を無理矢理見つけてきて強調します。

学力は、この30年くらいの長いスパンで見ると、確実に低下しているというのが私の教師としての実感です。

小学校で学んだはずの漢字が読めないし、音訓の区別がつかないし、意味なんかちっとも分かっていない生徒の数は、相当数増えてきたと思います。それは、ゆとり教育のせいなんかじゃなくて、文化の質の変化がもたらした結果のように感じます。客観的な証明はできませんが。

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