西海市立S中図書館

2018年9月21日金曜日

旅を振り返る

今回の旅の記録で、書き落としたことを少し補足しておきたいと思います。

レンタカーでドライブするに当たって、道路の通り方が左右逆なので、少し不安がありました。実際にやってみると、信号のない交差点での優先順位にとまどうくらいで、それほどの困難はありませんでした。

交通ルールも大差ないのですが、横断歩道に人が立っていたら、必ずみんな止まります。日本でも規則はいちおうそうなっていると説明したら、日本で暮らしたことのあるカナダの友人は、日本では歩行者に権利はないと思っていたと言っていました。

また、制限速度は、100kmくらいの田舎の道路を走っていて、街に差しかかると、突然30kmくらいになります。そして、これも多くの車は制限に従っていました。

ルールに従うのは、罰則が厳しいからだという見方もありますが、結果としての交通事情は、ルール無視のせいでしばしば混乱する我が国の道路よりも、はるかに整然としていて、走りやすかったです。


旅行者には多様な人種がいましたが、どこへ行っても、そのほとんどは家族連れかカップルでした。一度だけ中年男性の4人組に出会いました。別に同性カップルという雰囲気でもなかったので、友人同士の旅行だったのでしょうが、かなり珍しかったです。

バンクーバーでは、娘のホームステイ先には部屋があいておらず、その近くの民泊を探して泊まりました。一人で泊まっていると、必ず、何のためにここに来たのかと聞かれ、近くに娘が住んでいると言うと納得してもらえました。

民泊に関しては、たぶん、規制はほとんどなくて、ネット上で予約して、鍵番号を聞き、勝手に泊まるといったやり方でした。不安を感じるような雰囲気はまったくありませんでしたが、本当に安全かと聞かれると、自信を持って答えることはできません。


アメリカもカナダも多民族国家ですが、アメリカは「アメリカ人」という一つのアイデンティティへの帰属感を大切にしているようです。一方カナダは、多民族が、多民族の多様性を保ったまま一つの国となることを国是としていて、国の成り立ちの根本原理がまったく違っています。

アメリカでは差別されがちであろう非白人は、カナダの方がはるかに住みやすいと感じるのではないかと思います。


街を走る車の半分くらいは日本車ですし、日本料理や日本語は、思った以上に浸透していました。どんな田舎に行っても必ずと言っていいくらい日本料理店があるのです。和食は、中華・イタリアンに次ぐ地位をしっかり確保してしまったようです。

日用品でも、日本製は評判がよくて、その分値段が高めだそうです。

また、店の名前や商品名などに取り入れられている日本語も多かったです。和風のものに限りませんでした。誰に聞いても日本のアニメ作品の一つや二つは見たことがあるという人ばかりでした。


観光客の中で特に目立っていたのは、中国人でした。また、旅行者だけではなく、中国資本が、特に不動産に流入しているらしくて、多くの建物が買い占められ、不動産価格を押し上げていると、いささか評判が悪かったです。かつて、日本の資本が同じようなことをアメリカでやって、不評を買っていたことを思い出します。中国の底知れぬパワーは、まだまだ途切れることはないのでしょう。


距離やものの大きさのスケールが違うというのを、いろんな場面で感じましたが、特に農産物に関して、日本が太刀打ちできる場面は限られているように思いました。同じものであれば、生産コストが違いすぎて、同じ土俵では戦えそうにありません。

これから、カナダの経済は当分好調が続く見通しのようです。もともと多民族であり、移民の労働力を取り入れることへの障壁は、日本とは比べものになりません。これから急激に高齢化が進み、それによって経済も停滞するしかないであろう我が国には、学ぶべきものが多いのではないでしょうか。

景色の雄大さに圧倒されながらも、いろいろ考えさせられることの多い旅でした。

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