西海市立S中図書館

2024年4月8日月曜日

花と俳句 桃の花

桃咲いて地図なき道に出でにけり 中野京子

桃の花の俳句はとてもたくさんありますが、華やかで優しいイメージで描かれているものが多かったです。そのようなイメージは、すでに万葉集の時代から存在していて、大伴家持の歌に、次のような作品があります。

春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ

この俳句は、桃源郷の故事を彷彿とさせますが、現実の体験とも読めます。桃の花に誘われて思わず知らない山中に迷い込むというのは、いかにもありそうな経験ではあります。

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