西海市立S中図書館

2025年8月27日水曜日

床置き書架の設計

今回の製作にあたって、下のような設計図を描きました。用紙は5mmの方眼で、10分の1のスケールで描いています。この縮尺が、数字を間違えにくいのでお勧めです。どのように設計を進めたか、詳しく書いていきます。

だいたい、いつもこの程度の簡易的な図を描いて作っています。見にくいと思いますが、これくらいでやっているのだという雰囲気を分かってもらえればと思います(写真をクリックすると、多少大きくなります)。

まず、置く場所の制約から、高さは1m程度としました。窓枠の高さが1mなので、そこからあまりはみ出さないようにという考えです。棚の高さは、下の方から、A4用(32cm)1段、B5用(28cm)2段、そして、天板のない最上段としました。

A4サイズの本は少ないのですが、これがないとA4は最上段に置かれてしまいます。それは避けたいですし、職員室の限られたスペースの中で別置は現実的ではないという事情もあって、A4用を入れることにしました。

B5サイズの本は結構あったので、2段分用意しました。全体の高さを抑えるなら、1段だけにするという考え方もあるかもしれません。

棚の高さと数を決めたら、棚板の厚さも考慮して、側板のサイズを決めます。平湯モデルに倣って、8度傾きをつけています。そのとき、斜めの辺の長さはどうなるのか、計算するしかありませんが、私は、もっぱら高度計算サイト(https://keisan.site/)というのを利用しています。直角三角形の角度一つと高さを入れれば、斜辺の長さがすぐに出てきます。小数点以下の細かい数字も出てしまいますが、1/10mm以下の数字は、無視しても実用上問題ありません。最終的に、高さは、1115mmになりました。背板の部分(斜辺)は、1126mmです。

棚の幅は、これも場所の制約があるので、800mmとしました。側板2枚分の厚さをそこから引いて、残りが必要な棚板の幅となります。細かい仕事をするなら、側板と棚板を相欠き継ぎとか、ほぞ継ぎという方法でつなぎますが、私は、もっぱら、ベタ付けという簡便なやり方を使っています。強度は、接着剤や、ビスの長さで補うようにしています。

とは言っても、800mmの長さがあると、棚板が書籍の重みでたわんでくるかもしれません。そこで、中仕切りを入れ、これは縦と横、両方の部材をかみ合わせるようにして(相欠き継ぎ)、重さを支えることにしました。

これだけ決まると、必要な部品の大きさと数が分かります。図面の右側のメモは、必要な板の数を記したものです。これに従って板をカットしていきます。

スライド丸ノコを使う場合、1本切った後、その板を定規代わりにすると、極めて正確に他の部品を切り出すことができます。この正確さは、強度にも大きく関係しますし、作業のスピードも大幅にアップします。高価な工具ですが、これがなかったら、私はここまで数多くものを作れなかったと思います。(自分では持っていません。学校のものです。)

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