西海市立S中図書館

2011年3月22日火曜日

今泉正光『「今泉棚」とリブロの時代』論創社、2010

書店の話でこの本を思い出しました。池袋ブックセンターが記憶に残っている人もいるでしょう。あ、世代がかなり限定されますけど。


同ブックセンターは1985年にリブロとなり、最盛期には日商二千万円にも達したそうです。1日400箱からの本が入れ替わる。想像しただけでもすごいですね。

しかも、ここでは、お堅い人文書をたくさん売ったそうで。帯に「本を売ることもひとつの思想である」とありますが、中を読むと、その意味するところがよくわかります。書店が文化を支えている。

今や、本は、多品種少量生産という制約の中で、店頭に並んでは次々と消えていく運命に甘んじているようにも思えるのですが、実は、こんな時代もあったね、という郷愁で読んでしまいました。高度成長は豊かさを生み、こうして文化の成熟にも貢献した側面はあったのかもしれません。

元気のいい書店は今でもあちこちにあります。いい棚を持つと本屋は生きかえる。やっぱり本屋と図書館は身近になくっちゃね。

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