西海市立S中図書館

2011年9月19日月曜日

宮崎駿企画・脚本、宮崎吾朗監督『コクリコ坂から』(映画)、2011

最近、おもしろそうな映画なくて、あまり映画館行ってません。たまたま時間つぶしに観たので、感想。あんまり有名すぎる作品は、コメントしにくいけど。

ジブリ美術館や、ジブリレイアウト展見てたので、技術的なところはよくわかった気がしました。風景のリアルさへのこだわりは、アニメ作品としてみたときはどうなんでしょう。前景とバランスが悪い気もします。

ざっと批評を読んだら、郷愁の物語、団塊の世代の。かつて、世界が美しかった頃の、おはなし。といった扱いが多かったです。恋愛物としては底が浅いとか。原作はちょっと違うみたいですけど。

これで興行成績が国内1位だというので、映画界の不調ぶりがかえってわかります。高齢者向けの内容が功を奏した(?)

でもね、一つ肝心な視点が抜けてるの。主人公の「海」にとっての父の存在(不在)。これは、帰ってこない父を求めつつ「海」が成長する物語、と読めるでしょう。

第二弾ポスターが、それをあからさまに表現してます。

http://www.so-net.ne.jp/movie/news/?type=show&id=2061

「海」の恋人の俊ちゃん、かわいそうに出番がありません。それにしても、この絵はちょっと安直すぎませんか。最初のポスターのように、旗を揚げる行為で「海」の父への思いを象徴するくらいがちょうどいいんじゃないかと。だって、お父さんもういないんだから。

父は決して帰ってこないけど、父にまつわる人たちや、父的なものを体現する人たちが多く出てきて、そういう人との交流を重ねることで、「海」は父の不在を乗り越えていくの、たぶん。

そこを越えないと、「海」の本当の恋愛は成就しないはずですからね。

ちなみに、船の世界では、無線でほとんど用が済むようになった今でも、国際信号旗(アルファベットや数字などを表す旗)、現役で使われてます。ヨットレースのスタートはP旗が合図。私の船にも、NC旗(遭難信号)だけは積んでます。遭難したとき、旗揚げてる余裕ないでしょうけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿