西海市立S中図書館

2012年8月29日水曜日

メアリー・ブレア原画展(長崎県美術館)

大型台風のために予定が狂って、時間に余裕ができたので、メアリー・ブレア原画展に行ってきました。


ディズニーのアニメも、キャラクターも、ディズニーランドもあまり好きではありませんが、ブレアの原画はよかったです。

それらの、原色のどぎつい色彩と、ある種のやり方で単純化された造形が、どうしても好きになれなかったのですが、ここに展示されているコンセプトアートは、そんなことはなかったです。

つまりは、コンセプトはよかったが、それを現実化する際に変質してしまったということなのでしょうか。

55セントで買えたというシリーズの絵本が並べてありました。薄っぺらな紙のホチキス製本。今でもアマゾンで525円で手に入ります。会場の売店にもありました。

 

これを見ながら、自分の求めているものが矛盾していることを考えていました。

そもそも本は、活字で大量に印刷されて、安く手に入るようになったので、庶民の手にも渡るようになったものです。

しかし、大量に安く、というやり方は、当然1冊1冊の価値をおとしめます。それまでの、手書き・手製本というやり方とは全く違う。

その、大量に作られ、消費されていく文化を、過去の貴族的な文化と比較してゴミだと言うのは簡単なんですが、だからといって、私たちが昔に戻れるわけでもない。

うーん。悩みが一つ増えてしまいました。

ブレアの名誉のために言っておくと、この絵本、スーパーマーケットなんかに並んでる安価な正方形の絵本シリーズより、ずっと品のいい仕上がりになってました。

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