今日が学図研島根大会の最終日。今日は総会でした。
予算などの一般的な議題の他に、特別に、司書の法制化に対する要望書の内容が活発に議論されました。もう、話がまとまらないのではないかというくらい、議論百出。議長さん苦労してました。
この法律に関して言えば、骨子案では、学校に学校司書を置くように「努めなければならない」という内容なので、たとえ法律が制定されても、どれだけ実効性のあるものになるか、はなはだ疑問です。
(骨子案の文面は、例えば
http://www.open-school-library.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/
に紹介してあります。)
こんな法律があったとしても、努力してるけど正規職員置くほどのお金は無い、という言い訳はいつでも成り立つわけです。つまり、どれだけ国や自治体などがこのために予算を使うつもりでいるか、ということにすべてがかかっていると思います。
なにしろ、国がすでに行っている学校司書配置のための予算措置(地方交付税)は、単価105万円というものですから。無いよりマシ、とも言えますが、これで何とかしようと思っているわけで、ここが難しいところ。
唯一この法制化にメリットがあるとすれば、今まで漠然としていた学校図書館の司書の立場が、公的に認められる、という、どちらかといえば精神的なものだと思います。
法律の内容は、専任・専門・正規の司書を学校図書館に置くことを日頃から主張している学図研の考えとは、大きく開きがあるものです。
だから反対、という意見もあり得ると思いますが、この法律が通っても通らなくても、現実はさして変わらないでしょう。学校に置かれる司書の数は増えていますが、待遇はむしろ悪くなってきている。それを止める効力も、逆に悪化させる効果も、この法案の文面からは見えてきません。
私も、専任・専門・正規の司書が必要だという学図研の主張に賛成です。だからこそ会員にもなっているわけですが、現実には、例えば、今年度、多くの地方自治体で、教員を含む公務員の給与が大幅に減額されました。
こうした中で、正規職員の数を大幅に増やす、というような考えを国や地方自治体が持つとは、とても考えられません。
学図研が、その研究会としての政治的立場を鮮明にし、主張することには賛成しますが、その主張と、現実の間には大きな隔たりがあることもまた、忘れてはならないと思います。今日の議論は、それを忘れちゃって、勝手にヒートアップしてしまったという感じでした。
学図研のメンバーがこの問題に熱烈な関心を持っている、ということはよくわかりました。目標は高く掲げましょう。そして、しつこくこの問題を訴え続けていきましょう。私が思うことはそれだけです。
午後からは、平湯先生と岡山県立図書館を見学。それについては、また別に書きます。現在、帰りの新幹線車中ですが、ネットワークとつながったり、切れたりの繰り返しです。
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