西海市立S中図書館

2013年8月9日金曜日

岡山県立図書館 展示架

この図書館の中で、家具として平湯先生が一番気にしていたのが、この展示架です。


円錐形の一部を切り取ったような形です。3次元の曲面で、普通はこんな形は家具には使われません。加工が極めて難しくなるからです。

余談になりますが、船大工に高い技術が求められるのは、船体がどこをとっても3次元の曲面だからです。その難しさは、指物大工の比ではありません。

家具を作ったのは、天下に名だたる、東北のある木工所。この面倒な加工を見事に仕上げています。でも、ここまで複雑な形が必要か?というのが平湯先生の考えです。

平湯モデルの家具には曲線が多用されていますが、こうした3次元曲面は使われていません。壁際に置かれる長いカーブになった絵本架なども、実は平面の組み合わせ。

書架の棚は、どの面も平たいものの方が使いやすい、ということは、広く認めてもらえるのではないでしょうか。


下の写真は裏面です。


私が一番気になったのは、色でした。着色した黄土色は、木の地肌の色合いを生かし、つや消しのクリアニスで仕上げた平湯モデルの家具を見慣れた目には、くすんで見えます。


もう一つ気になったのは、このサインでしょうか。前に書いた「社会科学」の棚のサインほどではありませんが、もっと文字が大きい方が見やすいと思います。

この中途半端な文字の高さも???


ところで、この図書館について、いろいろ批判的なことを書いてますが、こんな大きな図書館が、ど~んと県都のまん中にあるっていうのは、それだけで文句なしにすばらしいことです。岡山県民がとてもうらやましいです。

それにケチをつけようという意図はまったくありません。日頃考えていることと照らし合わせて、よりよい図書館の形を考える材料にさせてもらっているだけです。

平湯先生と一緒に見て回ると、自分だけで漫然と見ているときには見えなかったものまで見えてくるように思います。ときおり意見を求められますが、私の見解が採用になることは、ほとんどないと言っていいくらいでした。

まだまだ書くことは出てきそうですが、かなり長くなったので、とりあえずこの辺で岡山県立図書館については筆をおきます。

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