西海市立S中図書館

2014年7月17日木曜日

内田樹編『街場の憂国会議』晶文社、2014

編者他8名による、現在の政治状況を批判した論考です。

昨日、上祐さんの本を取り上げましたが、オウム真理教によるサリン事件からもう20年が経ってしまったのでした。


20年経っても終わっていない、ということの意味が、この本を読むといっそうはっきりするかもしれません。

かねてから、憲法を改正すべき、という議論があっていました。個人的には改正する必要はないと考えますが、それを論じていくことは現行憲法の意味を確かめるためにも必要なことだと思ってました。

ところが、何を考えたか今の政権は、改正議論はちょっと脇においやって、解釈の変更と言い出しました。

憲法自体だって、もちろん議論の対象になりうることがらです。それなら、その解釈も同じです。解釈について大いに議論すればよい。

ところが、議論も何もせず、閣議決定によって憲法の解釈を変えることができると、いつの間にかなってました。公明党は、解釈の変更には慎重な態度を取ってましたが、方法論については結局スルーしてしまいました。

え、憲法って、そんな軽いものだったんですか?思わず、学級会のルールじゃないぜ、と言いたくなりました。学校の校則だって、改正するときはもう少し慎重に扱われますから。

おっと、本の紹介はせず、自分の言いたいことばかり書いてしまいました。

憂国なんてえらく時代がかった言葉ですが、三島由紀夫が使ったとき、すでに時代錯誤じみたものがあったように記憶しています。それをあえて持ち出したくなるほど、時代は行き詰まってきたみたいです。

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