西海市立S中図書館

2021年9月3日金曜日

「五島百景」完成記念 山本二三展 the BEST

長崎県美術館の山本二三展が終了するというので、娘にせかされて一緒に行ってきました。9月3日終了予定が、5日まで延長されていました。ただし、時間は午後6時まで。

以下、少し長いですが、県美術館のホームページの「企画展概要」にある解説です。

五島出身のアニメーション美術監督・背景画家の山本二三は、作品の世界観を支える背景画を数多く手掛け、世界に知られる日本のアニメの潮流をつくった“レジェンド”の一人です。「未来少年コナン」「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」「時をかける少女」「天気の子」―。架空の風景をリアルに描く表現力は圧倒的で、湧き立つような独特の質感を持つ雲は「二三雲」と呼ばれています。
ライフワークとして取り組んできた「五島百景」完成を記念して開催する本展では、「百景」が一堂に会するほか、初公開作品を含む代表作の数々によって、山本二三作品の魅力を余すところなく紹介します。作品の「世界」を作り出す、精緻な描写や描きこみをぜひ会場でお楽しみください。

以上、引用終わり。

アニメの風景は、現実のものとは違います。適度に捨象し、単純化して描かれたところにアニメの背景のリアルは出現します。今回展示されていた作品の中では、「企画展概要」にも掲げられた「荒廃したラピュタ」が圧巻でした。ちなみに、長濱ねるさんも、この絵のコピーを買ったそうです(と、売店の絵の横に書いてありました)。

山本氏が五島出身で、五島の風景に深い愛着があるだろうことはよく分かります。私は、たった4年間住んでいただけですが、いくつもの風景が印象に残っていて、五島を舞台にした映画『くちびるに歌を』を見たときは、作品に出てきた、見慣れたいくつかの景色に、自分が五島出身であるかのような感慨を覚えたものでした。

でも、「五島百景」は、絵画作品としてはどうなんでしょうか。私には、日曜画家の手すさびにしか見えませんでした。アニメの背景画と、風景画はまったく異なったものだということがよく分かった気がします。山本氏が、故郷の景色を自分の手で記録しておくことにはそれなりの意味があると思いますが、それが鑑賞に値するものであるかどうかは別問題です。

五島で育った長濱ねるさんが、あえて五島の風景画ではなく、ラピュタを選んだのだとしたら、案外彼女は絵を見る目があるのかもしれません。

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