西海市立S中図書館

2024年6月8日土曜日

川上康則編著『教室「安全基地」化計画』東洋館出版社、2023

川上氏と、オンラインセミナーとして開かれた、武田信子、村中直人、荻上チキの三氏との対談をまとめたものです。

昨日・一昨日と紹介してきた本と、学校教育の問題点をあぶり出すという問題意識において、一続きのものです。

私は、実は、紹介したのとは逆の順序で読みました。これ一冊を読めば、他の2冊に書かれていることの要点は分かります。

こうした問題意識が、学校の職員室でどれくらい受け入れられるでしょうか。まだまだ難しいような気もします。この本を読みながら、最近話題に上がっていて、このブログでも取り上げた、教員の処遇のことが思い浮かびました。

学校が、生徒にとって必ずしも安全で住みやすい場所ではないという事実の背後には、教師の勤務条件の厳しさがあると思います。一人で多数の生徒を相手に授業をし、問題行動を起こさせず、ICT教育といった他の様々な課題にも応えていかなければならない。個々の生徒の特性に応じた特別の支援も、ますます強く求められてきている。使える時間は限られており、待遇は限りなくブラック。

そうした条件の下でマルトリートメントが生じて来ることには、それを教師に強いてきた政治にも責任があると思います。批判は筋違いで、自分たちはちゃんと仕事をしていると、開き直っている場合じゃないですよ、文部科学省どの。

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