その子が、悩みがあるから聞いてくれというのです。「恋の悩み?」と尋ねたらそうではないらしい。
3年生だから勉強しないといけないけど、ちっとも意欲がわかない。土曜も日曜も、勉強しないといけなくて、家からまったく出してもらえない。
意欲が出ないのはどの教科もかと聞いたら、全部、との答え。あえて一つ好きなものを選ぶなら数学だというので、一番やる気が出る教科からやってみたらと言っておきました。受験勉強はあせらなくても大丈夫ということも。
土日については、勉強は集中してやることが大切で、一日中座っているのも必ずしも効果が上がるわけでもありません。午後からは出かけてもいいとか、その辺り、もう一度家族と相談してもらうことにしました。
言葉には出しませんでしたが、きっと「勉強しなさい!」「やってるよ!」なんて、家族と口論でもしたのでしょうね。
統計を取ると、教師というのは生徒の相談相手に一番なりにくい対象だそうで、私もずっとそうでした。最近それが少し変わってきたのは、図書館との関わりが深くなってからではないかと思っています。ふらりとやってきて、ぼそっと何かつぶやいて立ち去っていく生徒が結構います。また、カウンターの横の席に、係でもないのに座っていく生徒も。
教師の役目が何なのか、ということですが、生徒がいろいろなものを抱えて学校に出てくる、それを解決することはできません。解決しようなんておこがましい。でも、そばに寄り添って立つことで、少し生徒が生きやすくなるような在り方はできるかもしれないと思うのです。服装がどうのとか、眉毛がどうのということはちょっと脇に置いておいて。
その子は、放課後に会ったときには笑顔でさようならを言ってくれました。明日もそうして学校に来てくれればよいがと思います。私もまた、鍵を開けてカウンターに座り続けなければ。
ほんとにそうですね。
返信削除同じ人がカウンターにいるだけで、違ってくるのですね。
司書も先生と呼ばれないように、成績で子どもたちを見ない
人として、座らなければと思います。
コメントありがとうございます。読書で学力向上なんてホラ話だと思ってます。図書館の存在意義を高めるためにはそれくらいのホラは許せますが。
返信削除成績なんかと関係ないところで本読んでほしいですね。