茂木健一郎著、恩蔵絢子訳『ＩＫＩＧＡＩ』新潮社、２０１８

原著は英文です。

私の蔵書の中から、日本の特徴や日本文化について論じたものをいくつか抜き出して娘に見せたら、「古い」と一蹴されてしまいました。確かに、私が若い頃よく読まれていたそれらの本は、いろんな意味で古くなってしまったと言わざるをえないものばかりでした。

この本のテーマはタイトルにある通り、「（日本人の）生きがい」です。日本人がどのようなところに生きがいを見いだしているのかということが論じられているのですが、たくさんの具体例とその考察を通して、「日本的なもの」とはどういうものかということが明らかになっていきます。

「日本人の生きがい」を通した日本文化論という体の著作です。科学というより、評論と言った方が適切かもしれません。