来年度から中学校の教科書が新しくなります。今年は、教科書採択の年。各社が出しているものから、来年度使うものを選ぶ作業があります。
学校に新しい教科書の見本が届いていました。1週間だけ見本をみて、どれがよいか意見を言うことができます。簡単なアンケートですが。そうした資料を参考に、採択委員が検討し、来年度から市で使うものが決まります。
中学校国語の場合、4社が出していて、全部を読む時間はないので、目次に一通り目を通しました。もちろん、新しい教材も取り入れられていますが、昔から載っている代表的な作品はなかなか変わりません。そして、各社申し合わせたように同じものを使っているのです。
例えば、1年生の教科書に出てくるヘッセの「少年の日の思い出」。これができの悪い小説だとは決して思っていませんが、なぜこれを教科書が載せ続けるのか、理解できません。
主人公が、友人の大切にしていた昆虫標本を盗んだ挙げ句、潰してしまい、そのことを友人に告白するのですが、謝罪は受け入れてもらえず、自分の持っていた標本を全部潰してしまうという内容。
絶望的な結末に、何の救いも用意されていません。かろうじて、作品の設定の中で、遠い昔の心の傷を知人に話すというフレームがあり、長い年月の後、主人公はやっと自分の失敗を自分で受け入れられるようになったのかもしれないと読むことはできます。
これが、中学校1年生にどうしても読ませたい作品なんでしょうか。歳を取ってから子どもの頃を振り返るという視点は、中学生には捉えにくいものです。子ども時代の主人公に同化して読むというのが普通の読み方だと思いますが、主人公の絶望にシンパシーを感じられる生徒がいるとしたら、それはそれで恐ろしいことのような気がします。
学校に新しい教科書の見本が届いていました。1週間だけ見本をみて、どれがよいか意見を言うことができます。簡単なアンケートですが。そうした資料を参考に、採択委員が検討し、来年度から市で使うものが決まります。
中学校国語の場合、4社が出していて、全部を読む時間はないので、目次に一通り目を通しました。もちろん、新しい教材も取り入れられていますが、昔から載っている代表的な作品はなかなか変わりません。そして、各社申し合わせたように同じものを使っているのです。
例えば、1年生の教科書に出てくるヘッセの「少年の日の思い出」。これができの悪い小説だとは決して思っていませんが、なぜこれを教科書が載せ続けるのか、理解できません。
主人公が、友人の大切にしていた昆虫標本を盗んだ挙げ句、潰してしまい、そのことを友人に告白するのですが、謝罪は受け入れてもらえず、自分の持っていた標本を全部潰してしまうという内容。
絶望的な結末に、何の救いも用意されていません。かろうじて、作品の設定の中で、遠い昔の心の傷を知人に話すというフレームがあり、長い年月の後、主人公はやっと自分の失敗を自分で受け入れられるようになったのかもしれないと読むことはできます。
これが、中学校1年生にどうしても読ませたい作品なんでしょうか。歳を取ってから子どもの頃を振り返るという視点は、中学生には捉えにくいものです。子ども時代の主人公に同化して読むというのが普通の読み方だと思いますが、主人公の絶望にシンパシーを感じられる生徒がいるとしたら、それはそれで恐ろしいことのような気がします。
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