中学校国語の教科書を出しているのは、東京書籍、三省堂、教育出版、光村図書出版の4社です。(現行の教科書には学校図書のものもありますが、新教科書からは撤退したようです。)そして、各学年に一つずつ、全ての出版社に共通の現代文教材があります。
1年生は、昨日紹介した「少年の日の思い出」、2年生は太宰治「走れメロス」、3年生は魯迅の「故郷」です。
私が教師になった頃からこれは変わりません。かつて、1年生の教科書には芥川龍之介の「トロッコ」が載っていましたが、今は、2社だけが使っています。
この中で、私の一番好きな作品は「故郷」です。1920年頃のすさんだ中国の雰囲気が、故郷と母国を愛するが故に感じる、主人公の身を切られるような苦悩とともに描かれています。
もちろん翻訳で読んでいるわけですが、すみずみまで緊張感がみなぎった言葉の重みは、翻訳を通しても切実に伝わってきます。
ただ、今の生徒たちにとって、貧しさの中ですさんでいく人々の心というのは理解しにくいものかもしれません。そこが十分読めないにしても、人は何によって生きるのか、ということを物語を通して受けとることはできるのではないかと思います。
絶望的な環境の中で、若い世代に希望を託す主人公の頭に浮かぶ象徴的な風景が物語の最後に描かれています。未来は決して楽観できませんが、それでも確かに希望はあるのだと思うことができる作品です。
1年生は、昨日紹介した「少年の日の思い出」、2年生は太宰治「走れメロス」、3年生は魯迅の「故郷」です。
私が教師になった頃からこれは変わりません。かつて、1年生の教科書には芥川龍之介の「トロッコ」が載っていましたが、今は、2社だけが使っています。
この中で、私の一番好きな作品は「故郷」です。1920年頃のすさんだ中国の雰囲気が、故郷と母国を愛するが故に感じる、主人公の身を切られるような苦悩とともに描かれています。
もちろん翻訳で読んでいるわけですが、すみずみまで緊張感がみなぎった言葉の重みは、翻訳を通しても切実に伝わってきます。
ただ、今の生徒たちにとって、貧しさの中ですさんでいく人々の心というのは理解しにくいものかもしれません。そこが十分読めないにしても、人は何によって生きるのか、ということを物語を通して受けとることはできるのではないかと思います。
絶望的な環境の中で、若い世代に希望を託す主人公の頭に浮かぶ象徴的な風景が物語の最後に描かれています。未来は決して楽観できませんが、それでも確かに希望はあるのだと思うことができる作品です。
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