中学校を中退し、19歳のときシリコンバレーで起業、24歳でホルモン治療による「2度目の思春期(著者の言葉)」を迎え、35歳で台湾のデジタル担当大臣になって...という経歴から、飛びぬけた人物であるという印象を受けますが、これを読むと、著者が、何より、飛びぬけて開かれた精神の持ち主であるということが分かります。
そして、そんな人を大臣に抜擢する台湾の政治の在り方も、想像を超えるものでした。台湾は、中国との関係で大きな困難を抱えており、大国の前に勝負はするまえから決まっているじゃないかと思っていましたが、案外、そうではないのかもしれません。
武力で国土を制圧することは簡単でも、人々の自由な精神を征服することはできません。そんなときは、台湾はネットの上とか、火星とかで生き延びるのかもしれません。
人間を自由にする、これまで思ってもみなかった新しい国家や政治の在り方の可能性を感じさせる、革命的と言っていい一冊です。
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