ときどき、一見したところ、平湯モデルとほとんど変わらない書架を見ることがあります。
この写真だけ見て、純正品との違いがわかった人は、すごい観察力の持ち主です。中央部分を拡大してみます。
いかがでしょうか。計ってませんが、幅180cmくらいの壁面書架です。ほとんどの部分のサイズは平湯モデルそのもの。
決定的に違うのは、棚のしきりの板の厚さです。
この幅の棚は、横幅が2台分。棚の間の薄い仕切りは、ブックエンドを使わずにすむようにという配慮からの設計ですが、中央は、棚と棚の間の仕切りで、本来、もっと厚くなければなりません。
平湯先生の言葉を借りれば、書架の幅は世界標準であるとのこと。動かずに上から下まで見て、それから横に動き、次の棚を探す。そういう動きに対応して、90cm前後の幅になっているそうです。
中央の仕切りが薄かったら、どこまでが1台の幅か、わかりにくくなってしまいます。
純正品だったらこういうことは決して起こりえないのですが、設計の意図を知らないまま、見よう見まねで作っているんでしょう。
残念ながら、こういう商品が、結構出回っています。コストの安さだけを追求した結果かもしれません。
手づくりの場合も同じですが、うっかりすると、本来の設計がねらっていた効果を台無しにしてしまう作品を作ってしまうことになりがち。実は私なんかも、平湯先生に指摘されて始めて失敗にきづくということがよくあります。
作りやすさとか、他の事情に迫られて、確信犯的にオリジナルをくずしてしまうこともあるのですが、後で反省することになりがち。妥協はよくないです。
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