平湯先生のデザインへのこだわり ドーナツ型ベンチ

８月２２日に紹介した２枚の写真を、もう一度見てください。平湯先生から指摘があったのは、台座の部分でした。

オリジナルの写真では、脚の部分を除くと、座面を支えている円形の造作はほとんど目に入りません。

木材を大きく円形に加工するとすれば、曲げやすい薄い板を何枚も重ねて接着することになるでしょう。不可能ではありませんが、それにかかる手間を考えると現実的ではありません。

そこで、私は、座面を載せる１２角形の構造を考えました。

写真は、それに１２本の脚をつけ、ひっくり返したところです。

座面をなるべくがっちり固定するため、この１２角形は、座面からはみ出さない程度になるべく大きく作りました。

これをもっと小さくして、目立たなくするようにするべきだ、というのが平湯先生の意見。せっかくの座面の持つ雰囲気が、損なわれてしまうから、ということでした。