西海市立S中図書館

2015年2月22日日曜日

NDCの世界観~続き

続きといっても、前に書いたのは、2010年11月23日でした。もう一度書きたくなったのは、最近の世界情勢のせいです。

NDCの分類で、言語や文学の2次区分に出てくる国名は、

 中国、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、ロシア

です。これが、NDCが作られたときに思い浮かべられた、「世界」だったわけです。残りの国々は、その他の扱い。

また、前にも述べたことですが、宗教に関して言えば、2次区分では、神道・仏教・キリスト教しか出てきません。

欧米中心の世界観に、日本的なものを継ぎ足して事たれりとしてしまった。こうして、イスラム世界はすっかり意識の外に置かれてしまいました。

DDCの方は、宗教のところは完全にキリスト教中心で、もっとひどいと言えるかもしれません。

こうして、ないがしろにし続けてきたイスラム世界が、次第に存在感を増してきたのに、意識の方はなかなか変わっていかなかった。

NHKの語学番組がアラビア語を取り上げたのは、2002年12月からでした。9.11の翌年です。

図書館の分類やNHKのせいで、イスラム過激派や、それが主体となったテロが起こったと言いたいわけではありませんが、少なくとも、そうした事態を生み出す背景の一つではあった。

イスラム世界のことは、世界全体の中で、その他に分類されるにすぎなかったわけです。その他大勢としてくくられていた存在が、自己主張をするときに、過激な手段に訴えがちであるのは、自明のことに思えます。

テロリストは決して許さない、と大見得を切る前に、なぜそうなったかを冷静に分析するのは、言うまでもなく、極めて大切なことではないでしょうか。

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