西海市立S中図書館

2015年8月23日日曜日

ジュリア・カジェ『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』山本和子他訳、徳間書店、2015

新聞や雑誌などのメディアを、一部の資本による寡占と質の低下からどのようにしたら守っていけるか、という提案。


こうした提案の前提には、メディアがかつてない危機に直面しているという認識があります。

ここで論じられている欧米のメディアに比べると、我が国の新聞は、まだましなように見えます。

しかし、経営面はともかく、情報の質という意味では、これが対岸の火事であると高をくくっているわけにはいかないように思います。

もう一点、著者は、以下のように述べています。


メディアは上場すべきではない。・・・教育をしたり、養成したり、研究活動をおこなうという倫理的責任を担う大学の上場が考えられないのと同じである。


市場経済の原理のもとで競争するのがよい結果を生むのだという考えは、情報や教育の分野にはあてはまらないのだということを、特に、教育に携わる人にはよく確認してほしいと思っています。

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